俺は今、応接室にいる。雲雀の向かえに座り、1対1で話しあうような体制だ。雲雀は無表情で「何?」と俺に言う。何じゃねえよ、コイツ。なんかイライラしてきた…って抑えないと。

「名字さんのことだろ?」
「…ああ。骸に全部聞いた」
「そう。多分知ってると思うけど、名字さんより好きな人ができたから別れた。ただそれだけだ」
「んだよ、それっ!」

俺が怒っているのにも関わらず、雲雀は携帯をいじり誰かにメールを返している様子だった。そんな雲雀に対して、俺の怒りは上がって行き、遂に手が出てしまった。

「………っ」

殴られた衝撃で、雲雀の携帯がガシャンと床に落ち電池パックの部分の蓋が外れる。俺はハッとして、その携帯と蓋を拾った。

「…なん、だよ…これ」
「…………剥がすの忘れてたんだよ」
「嘘言うなよ」
「嘘じゃない」
「…雲雀…お前は何隠してんだよ。なんで、これに名字とのプリクラ貼ってんだよ」
「………剥がし忘れてたって言ってる」

雲雀は目を逸らし、俯いた。俺の手には名字とのプリクラが張られた電池パック部分の蓋。雲雀は絶対に何かを隠している。


****


学校が終わり、家に帰ろうと足を進める。校門付近に、誰かが立っていて目を細めよく見てみると、先生とキスしていた女の人がいた。

「あなたが名字さん、かしら?」

薄く笑う女の人に、ぞわりと鳥肌が立った。


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(110220)
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