先生と別れてから1週間。わたしは別れた日にメールも着信履歴も発信履歴も全部リセットして、先生のアドレスを削除した。まだ忘れられないし、今も大好きだけどけじめとして削除したのだ。…だけど、一回だけ撮ったプリクラを処分することは出来なかった。だから、見えない所に仕舞っておいた。

「名字」
「…はい?」

休み時間、トイレに行った帰りに廊下を歩いていると誰かに話し掛けられた。「よっ」とわたしの肩を叩いたのは獄寺先生だった。なるべく先生たちには会いたくなかったのだけど…。

「ちょっといいか」
「恋愛関係の話なら遠慮します。あまり思い出したくないので」
「……彼氏とは別れたのか」
「は、い。…もう良いですか?」
「おい…」
「まだ好きだから思い出したくないんです!」

わたしはそう言って、急ぎ足で教室に戻る。本当に思い出したくないんだ。好きだから、思い出したくない。思い出したら駄目な気がして。

****

突然だけど、俺は名字のことを諦めようと思う。さっき聞くまで確実に別れてるって自身は持てなかったのだけど、名字の口からちゃんと別れたって聞けた。本当は弱っているところを付け込もうと思った。だけど、名字は多分…今でも彼氏のこと…雲雀のことが好きなのだろう。そんな未練たらたらな人に付け込んだって無駄だ。名字や雲雀の口から付き合っていると聞いた訳ではないけれど、最近は雲雀も元気がないし名字もあのざまだ。それと、骸の野郎と雲雀もぎくしゃくしている気がする。

「しゃあねえなあ」

名字の態度からすると、二人は納得出来ない理由で別れたのだろう。そんなのは許せない。どんな理由で別れたのか、雲雀から無理矢理聞き出して、名字と雲雀をもう一度付き合わせるように、協力でもしてやるかな。


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