僕は名字さんと話して、雲雀くんが高校時代から大学3年くらいまで付き合っていた元カノ兼幼なじみと会っていることがわかった。名字さんはあんなに泣いて、雲雀くんのことであんなに悩んでいるのに雲雀くんは元カノと会って…本当に信じられない。僕は雲雀くんがいる応接室へと向かった。お互い次に授業がないのでゆっくりとお話ができるだろう。

「雲雀くん!!」
「なんだい、騒々しいね」
「君には幻滅しました」

いきなり応接室に入ってきて僕が怒鳴るものだから雲雀くんは目をぱちぱちさせて驚いている様だった。何も知らないって顔をして…泣かせているのは雲雀くんなのに。

「今、元カノとはどうなっているんです?」
「…その口ぶりだと誰かから何か聞いたんだね」
「そうですよ、名字さんです」
「そう…確かに僕は会っているよ」
「馬鹿じゃないですか!」

僕は頭に血が上り、気がついた時には雲雀くんを殴っていた。雲雀くんは頬を押さえたままこっちを見ていた。でも、どこか雲雀くんは泣きそうな顔をしてた。

「僕、名前とは別れるかもしれない」

ふっと、笑う雲雀くんの表情は儚げで、今にも消えてしまいそうだった。「好きなだけ殴るといいよ。名前を傷付けたのは僕なんだから」と雲雀くんは投げやりに言った。いつもの雲雀くんなら殴り返して来てもおかしくないのに、なんでなんだ?
雲雀くんの顔は凄く悔しそうで、泣いているみたいだった。いや、涙は出ていないけど、きっと泣いているんだ。雲雀くん、君は一体何を考えて?


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(110104)
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