生物準備室にわたしと六道先生が向き合う形に座る。六道先生は眉を下げて、わたしを心配しているという感じがあからさまで、いたたまれない気持ちになった。六道先生は大きな深呼吸をひとつすると、わたしに質問をぶつけた。

「君がこの間泣いていた理由は、雲雀くん絡みですよね?」
「…はい」
「何があったのですか?教えられるなら教えて下さい」
「…っ…先生、は…わたしなんか、い…っらない…みたいなん、です。…きれいなおんなの人と、会ったり…っ、キスしたりっ…もう、だめなん…ですか、ね」

六道先生は泣きじゃくるわたしの頭を優しく撫でた。そして何が思い出したかの様に「あ」と声を漏らした。

「こんな状態の君にあまり質問はしたくないのですが…もしかして、髪が長くて慎重が高めだったりしませんか?」
「…っ、…はい」
「……雲雀くんの、元カノで幼なじみです」

やっぱり、元カノだったんだ。しかも幼なじみって…勝ち目がないじゃん、わたし。ごしごしと涙を拭っても次々とこぼれ落ちてくる涙に嫌気がさした。

「…泣かないで下さい」
「っ、はい…ごめんなさっ」
「落ち着くまでここに居てもいいですからね?…ちょっと僕は出ます。呼び出しておいてすいません」

六道先生は生物準備室を出て行った。わたしに接している時は相変わらず紳士的だったけれど、出て行く時の顔は怒っているような顔をしていた。ごめんなさい、六道先生。そしてありがとう。


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