突然の山本先生の訪問に獄寺先生はチッと舌打ちをして、ドアを開けた。「わりー、取り込み中だったか?」そう言って、ニカッと笑う山本先生を獄寺先生はおもいきり叩いた。叩かれても変わらない調子で笑う山本先生は凄いと思う。

「なんだよ、用事か?」
「んー?いや大したことねえんだ。仕事終わったら一緒に飲みに行こうかと思って」
「は?明日も仕事だろ」
「は?明日大学レポート出しに行く日だろ。どうせ昼過ぎまでに提出すりゃいーんだから、飲もうぜ」

山本先生はガッと獄寺先生の肩に腕をまわして引き寄せる。獄寺先生は嫌そうな顔をして、まわされた腕を離そうと必死だった。

「じゃあ、わたしは帰ります」
「ん?あ、悪いな」
「邪魔しちゃって悪いな」
「いえ、わたしと獄寺先生はそんなんじゃないので」

わたしは2人に頭を下げて、生徒指導室を出た。もう暗くなりそうだし、急いで帰ろうと思いちょっと廊下を小走りしながら進むと、前の方に笹川先生と雲雀先生が並んで歩いていた。

「…あ、さよう…なら」

「さようなら〜」
「………」

わたしが挨拶をすると、笹川先生は笑顔で挨拶してくれたけど、先生は無視だった。やっぱり昨日のこと怒っているんだ…。しかも多分だけど先生はわたしが獄寺先生と話をしていたこともわかっている。だって今はもう外が暗くなりかけていて、わたしは委員会も部活もしていないし、成績だって特別悪いわけでもない。だとすると誰かがわたしを呼び出したと予測される。わたしは獄寺先生と先生以外に仲良しな先生がいる訳でもない。そうすると、獄寺先生と話していたという推測が立つという訳だ。

どういう訳か先生は笹川先生と二人で廊下を歩いているし。本当にわたしのことはどうでもよくなったのかなあ?…いやいや、聞いてみないと始まらないよね、うん。


帰宅後、わたしは意を決して先生に【明日の放課後、お話があるので応接室にいてください。お願いします】という簡潔な内容のメールを送信した。


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