「なに、するんですか!」

どん、とわたしは力一杯獄寺先生を突き放した。最初は驚いて何をされているかわからなかったけど、キスされてると理解した瞬間、嫌な気分になった。わたしは制服の袖でごしごしと唇を擦る。する方も悪いけど、隙を与えたわたしだって悪いんだ。

「何って、キス」
「先生と生徒はだめだ、って言ったのは獄寺先生じゃないですか!」
「俺は教育実習生だからそんなに問題はない」
「そういう問題じゃないですっ!」

わたしは獄寺先生を怒鳴り付けて、生徒指導室を出た。最悪!最低!わたしはイライラを抑えながら教室へと戻り、急いでお昼ご飯を食べた。友達はわたしがイライラしていることに気が付いたようで、そっとしておいてくれた。

****

あれから3日後の日曜日、久し振りに先生と会う。あれだけ後獄寺先生に付き合っていないと宣言したのだから、学校で会ってなんていられない。だから、わたしは先生の家にお邪魔する。緊張し過ぎて、なんか変なものが口から出てきそうだ。先生はもう少ししたらわたしの家に迎えに来る。
鏡を見て、変じゃないか確認をしていると、携帯が鳴った。

「はい、もしもし」
『着いたよ』
「今行きます!」

よし、と小さく気合いを入れて家を出た。家の前には先生の車があり、車の中を覗くと私服姿の先生がいた。目が合い、小さくお辞儀をして助手席のドアを開ける。

「久し振りだね」
「そうですね!」
「早く乗りなよ」

わたしはコクリと頷き、助手席に座った。私服姿の先生が素敵過ぎて、ずうっと見ていると先生は「見すぎ」と言い、小さく笑った。


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(101021)
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