シンと静まり返った室内。無言のわたしと、獄寺先生。先生はため息を吐いて、獄寺先生を見据えた。「もしそうだとしたら何?」凜とした様子で言葉を発する姿は、何も動じていないようだった。

「生徒と先生なんてダメだろ」
「へえ」
「なんだよ」
「かく言う君も生徒に好意を寄せているじゃないか」
「は?何言ってんだよ」
「否定が早いとかますます疑わしいね」
「…ちっ」

会話の中で今先生が上になった。話の内容からすると、獄寺先生も生徒の誰かに好意を寄せているということがわかった。先生鋭いなあ。獄寺先生は何も言い返して来なくなった。そして再び室内に静かな空気が流れる。

「話は終わり?」
「…ああ」
「そう、じゃあ僕は戻るよ。名字さんも早く戻らないと、お昼食べられないよ」
「…は、はい」

生徒指導室から先生が出て行き、室内にはわたしと獄寺先生のふたりきりになる。なんだか気まずいので、生徒指導室から出ようとすると「名字」と獄寺先生に呼ばれ、わたしの動きはぴたりと止まる。

「な、なんですか?」
「お前、本当に雲雀と付き合ってねえんだよな?」
「はい。それが?」
「じゃあ」
「じゃあ?」
「俺と付き合え」

え?え?と困惑していると、獄寺先生の顔がわたしの視界を埋め尽くした。どうなってるんだ?コレ。


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(101011)
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