「名字、ちょっといいか?」

化学の授業が終わった後、獄寺先生に呼び出された。調度昼休みに入りみんながそれぞれの行動に移り始める。わたしのお腹は空腹を訴えているけど、呼ばれたなら仕方がない。獄寺先生の後ろを付いて行くと、生徒指導室へと連れていかれる。…指導されるようなことしたかな?と不思議に思いつつ、生徒指導室へと入った。

「なんでしょうか?」
「――あー…これって多分、お前に言っちゃあ駄目なんだろうけど、一応言っておくけど、あれだ、お前…雲雀と付き合ってんだろ」
「……はい?」
「声聞こえてたぞ、雲雀とお前がいちゃついてる」
「…しらないです、そんなの」
「認めねえんだな」

獄寺先生はいらついたように言った。…獄寺先生にばれちゃうなんて、油断してた。いつも大丈夫だから、大丈夫だと安心しきっていたのが間違いだった。一生懸命平然を装っていたけれど、わたしの声は震えていた。

「ちょっとここで待ってろ」

獄寺先生は生徒指導室を出て行った。……泣きそうだ。六道先生は絶対ばらさないってわかっているから、安心だけど獄寺先生はまだよくわからない。じわりと浮き出る涙を手で拭きとる。

「なんだい、用事って…僕はまだ仕事が……って名字さん?どうかしたの?」
「……雲雀も白をきるのか」
「なんの話?」


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(100929)
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