毎日と言うわけじゃないけど、あれから先生とはちょこちょこ会っている。毎日が充実している、と思う。今は体育の授業中で、100メートル走をやった。わたしは今さっき走り終えたばかりだったので少し疲れが残っていた。「名字、お前ならもう少し速く走れそうだな。うーんそうだなあ、こう足をしゅぱぱーっと、腕もだだだーって」とジャージ姿がよく似合う体育の山本先生に言われたのだが、説明が下手過ぎてよくわからなかった。

ふうと息を吐き、木に寄り掛かり休んでいると、くしゃりと草を踏む音が耳に入る。振り返ると、獄寺先生がいた。「最近、なんで屋上に来ないんだ」と問われたが、先生に会わないでと言われたとは言えず、あははと軽く笑いその場をごまかした。

「まあ、元気そうだからいんだけど。おーい、野球馬鹿!ちゃんと仕事してっか」

獄寺先生はわたしから離れると、山本先生の元へと歩み寄った。周りの女子たちは、二人のツーショットにきゃあきゃあ言っている。なんか仲悪いように見えて、仲良しなんだよね、あの二人。わたしはくすりと笑い、立ち上がった。


***


放課後、もう日が沈みかけている頃、わたしは先生と屋上にいた。壁に寄り掛かり、一緒に夕日を見ていた。もちろん、屋上の鍵は閉めてある。「こうやって外でゆっくり過ごすのもいいね」と先生が隣でわたしに言った。その言葉にこくりと頷くと、先生は優しくわたしの頬を撫でて、そのまま頬にキスをした。

「好きだよ、名前」


next
(100915)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -