先生と連絡を断ってから1週間と3日が経った。わたしは放課後、何故か六道先生に呼び出された。生物準備室に向かう途中、笹川先生とすれ違った。笹川先生からは甘くて良い香りがして、まさに女の子という感じがした。わたしはノックを2回して、生物準備室に入った。

「名字さん、こんにちは」
「こんにちは」
「ちょっと聞かれるとまずいので、鍵を閉めて下さい」
「あ、はい」

わたしは六道先生に言われた通りに、準備室の鍵を閉め、六道先生に言われ、近くにあったパイプ椅子に腰を下ろした。多分、きっと六道先生がわたしに話があるとするなら、先生のことだ。

「雲雀くんのことなんですけど」
「はい」
「最近、名字さんは化学の獄寺先生と仲が良いらしいですね?」
「少し話しはしますけど」

特別、仲が良いわけでもないし仲が悪い訳でもない。ただ、たまに昼休みの屋上での話し相手になってもらっているだけだ。多分、獄寺先生もそう思っているに違いない。「雲雀くんはどうもそれが気に入らないみたいです」わたしは今六道先生が発した言葉に、目を見開いた。

「え?」
「雲雀くんは常に生徒の前では無表情ですけど、いつも君のことを考えているらしいです。第一、君より雲雀くんの方が、あんな約束をしたことに悔やんでいます」
「それって本当ですか?」
「ええ。だって雲雀くん、直ぐ僕に八つ当たりしてきますもん」

困ったものですよ、と六道先生は呆れたように笑った。先生のことだからわたしと会えなくても全然平気だと思ったのに。意外事実を聞けて、わたしの顔は自然と綻んでいた。

「案外、連絡したら会ってくれるかもしれないですよ」

わたしは、はいと頷いて生物準備室を出た。このにやけた顔を誰にも見られないように、足早に教室へと戻る。早く帰らなきゃ…!教室に入ると、雲雀先生がみんなの机の中に勉強道具がないかチェックしている最中だった。


next
(100914)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -