【ごめんなさい、女友達だけかと思ったら男子もいました。だけど心配しないでください】とメール送って携帯を閉じる。友達が向かった先はボーリング場だった。え、え?ボーリングなんてやったことないんだけど、何考えてるの、君たち。ヴヴッと携帯のバイブが鳴る。先生からのメールだった。
【は?何してんの君。本当馬鹿じゃないの、今何処】とお怒りのメールだった。今いる場所をメールで送る。先生、来るのかなあ。でも来たら来たでややこしくなるし、先生が彼氏ですなんて言えやしない。


****

ガーターばかりでわたしのスコアは5ゲーム目でわずか25。6人もいて5ゲーム目まで進んでいるからあれから相当な時間が経っているのに先生が来る気配が一向にない。はあ、とため息を吐いて席に座ると近くにいた男子がわたしに話し掛けてきた。

「名字、何か変わったよな」
「え?そうかな」
「女らしくなった」
「…あ、ありがとう」

いきなりの言葉に照れてしまうわたし。こういう言葉言われ慣れてないから仕方ないよ。ヴヴッっと携帯のバイブが鳴る。先生からのメールだ。【何照れてるのさ。ダメだよ、僕以外の男と話して照れるなんて】その内容を見てわたしはいきなり立ち上がる。え?先生近くにいるの?何処?

「ご、ごめん。ちょっとトイレ行ってくるから、わたしの番になったらわたしの代わりに誰かよろしく」

そう嘘を言ってわたしは先生を探す。携帯を出し、先生に電話を掛けると3コール目で出た。

「先生何処にいるんですか?」
『さあ…何処だろう』
「教えて下さい」
『教えてあげてもいいけど、君からキスして』
「なっ、嫌ですよ」

「君は意地悪だね」電話の声ともうひとつの声が重なる。すると、後ろからふわりと誰かに抱きしめられる。この香り、先生だ。振り返ると、むすっとした先生がいた。「ごめんなさい、先生」わたしがそう謝ると、ぐいっと腕を引っ張り人影が少ない所へ連れて行かれる。

「ちょ、先生!どこ行くんですか」
「静かにしてよ。僕はムカついているんだ」
「せんせ、んぅ」
「案外僕は独占欲が強いみたいだ」
「ん、せん…はぅ」

慣れない激しいキスにわたしはどうしたらいいのかわからなくなる。思い切り先生の胸板を押すと唇が離れた。相変わらずむすっとしていているから、なんだか気まずい。すると先生が「恭弥」と自分の名前を呟いた。

「え?」
「恭弥って呼んでくれたら許す」
「き、きょうや」
「学校以外ではそう呼んで」
「がんばります…。あ、戻らなきゃ」
「僕も行く」
「でも」
「…大丈夫、バレないよ」

手を繋いで歩く。よく考えると先生と休日に会うなんて初めてだよなあ。先生の私服姿もかっこいいなあ。友達の所へ戻ると、友達たちはえっ!と驚きの声をあげた。

「ごめん、彼氏…来ちゃった」
「イケメン!名前やるじゃん」
「名前、嘘じゃなかったんだ」

5人全員が驚いている。そんな中5人のうちの一人のリマがとんでもないことを言い出した。

「彼氏さんも一緒にボーリングしましょう!」

あーあ、群れるのが嫌いなのにオッケーするわけ「いいよ」は?えええ?


next
(100407)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -