顔をほんのりピンク色にした雲雀先生の顔が脳に焼き付いて離れなかった。初めてみた、先生の顔。今思い出してもにやにやしてしまいそうで、両手で手を覆う。「名字さん、授業に集中しなさい」…あ、今は生物の授業中だった。ちらっと六道先生を見ると、ぱちっとウインクされた…ちょっとうざい。まあ、ほとんど授業内容は頭に入っておらず授業を終えた。

帰りのHRが終わり、放課後になる。携帯を開いて見ると、新着メール1件と表示されていた。淡い期待を抱きながら、メールを開くと…あ、中学時代の友達からだった。【高3年になったら忙しくて遊べなくなるから、高2のうちに遊ばない?来週の日曜日とかどう?】という誘いのメールだった。基本的に週末は暇だし、たまに中学時代の友達と遊びたいし。わたしは了承のメールを送り、携帯を閉じた。今日は先生と会う予定もないし、真っ直ぐ帰ろうっと。教室を見渡すと近くに友達がいたので声を掛けた。

「友達、たまには一緒に帰らない?」
「名前ちゃん、うん。帰ろう」

ふわりと友達は笑う。だけど、いつもと何か違うなあ。何処かぎこちない感じがする。教室を出て、玄関で靴を履き外に出る。友達はいつも通りを装ってるのだろうけど、やっぱり何処か違った。

「何かあったの?」
「え、…あ。やっぱりわかっちゃうんだね」
「わかるよ」
「え、っとね。彼氏と喧嘩しちゃったの、最近仕事が忙しいらしくて会えなかったんだ。メールしても返事は遅いし、久しぶりに電話して、ちょっと怒ったら逆ギレされて口論になって…」
「そっかあ…。わたし、まだ喧嘩したことないから、アドバイスできないや。ごめんね。だけど話なら聞くことできるから、ね。早く仲直り出来るといいね」
「…ありがとう。…え?名前ちゃん、彼氏できたの?」

え?なんかわたし言った?あ、まだ喧嘩したことない、って言っちゃった。誰かは言わないでおいて肯定はしておこう。

「うん。両想いになれたよ」
「わあ!おめでとう!よかったね」
「ありがとう」

友達は自分のことのように喜び、笑っていた。校門を抜けようとした時だった「友達」男の人が友達を呼んだ。隣にいた友達は凄く驚いた顔をしていた。ああ、あれが彼氏か。なんか想像してたのと全然違った。なんかもっとダンディーな感じかと思ったけれど、わたしたちと大して年齢が変わらない男の人だった。

「名前ちゃん、行ってもいいかな?」
「当たり前でしょ!行って来なよ」

わたしは手を振りながら、友達を見送る。なんだか幸せそうだな、と思いながらわたしは校門を抜けて、家まで歩いた。



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(100329)久しぶりの更新!雲雀でてこなかった…
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