「これは、体細胞分裂と言って、…名字さん、聞いてますか?」
「あ、ごめんなさい」

この間の先生と初めてキスをした時のことを思い出していたら、授業を聞くのを忘れていた。ごめんなさい、六道先生。わたしは雲雀先生のことでいっぱいなのです!六道先生はため息をひとつ吐くと、また授業に戻った。相変わらず絵が下手なことで。

授業が終わり放課後になる。携帯を開くと新着メール1件と表示されていた。先生からのメールだった。内容は、応接室に来てね。と、至ってシンプルなメールだけど、わたしにとっては凄く嬉しいものだった。

―――トントンとノックして、応接室に入る。わたしの目の前に映るのは、少し笑う先生だった。帰りのHRで会ったばかりなのに、こんなに気持ちが高ぶった。

「先生、こんにちは」
「やあ」

応接室にあるソファにゆっくりと腰を下ろした。先生も立ち上がって、わたしの隣に腰を下ろす。名字さん、こっち向いて、先生にそう言われて、言われた通りに向く。

「ん、せんせ…」
「…まだ慣れない?」
「慣れないです」
「そう…じゃあもっとしなきゃね」

再び先生の顔がわたしに近付いて、キスをされる。少し油断をした時だった。先生の舌が、わたしの口内に入り込んで来た。わたしはびっくりして、先生の胸を強く押した。

「は、ごめんなさい。びっくりしちゃって」
「ごめんね。君のペースに合わせられなくて」
「いいんです」

先生は包み込むようにわたしを抱き締めた。わたしの心臓の音聞こえてないかな、と心配になった。

「名前、って呼んでいい」
「(!)もちろんです、」

先生がわたしの名前をぽつりと呟く。それが嬉しくてたまらない時だった。

「雲雀くーん!遊びに来ましたよ!……おや?邪魔、しちゃいましたかね」

ハイなテンションで、六道先生が現れました。バレたらおしまいなのに、もうバレたなんて。わたしたち、終わっちゃうの?



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(091027)
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