昨日、雲雀先生の彼女というものになった。バレたら、終わりという条件つきだけど、嬉しかった。初恋の人の恋人になれるなんて奇跡に近くて、本当にありえなくて。あの時、先生に「連絡先教えてよ、名字さん」と言われて、連絡先の交換をした。
したにも関わらず、わたしは先生にメールも電話もしていない。だって、恥ずかしいし、どんな文章を打てば良いのかもわからなかった。そんなことを考えてるうちに、わたしは眠ってしまい、いつの間にか朝になっていた。

「いってきまーすっ」

昨日、遅刻していなかったら、先生の恋人になれていなかったよな。すっぴんじゃなかったら、どうなっていたんだろう。第一、なんで先生がわたしを?わたしと付き合ってメリットなんてあるわけないのに。次々と疑問が浮かんで来る。

「名前ちゃん、おはよう」
「!…友達か。びっくりした」

後ろから友達に肩をぽんと叩かれてびっくりした。しかも、いつの間にか学校に着きそうだし、校門の前に行くと、複数の先生達がいた。その中に、雲雀先生も、いた。

「雲雀先生おはようございますっ」
「…お、おはようございます」
「おはよう」

すたすたと進んで行く友達よりワンテンポ遅く進んで行くわたし。ちらっと後ろを振り返ると先生と目が合う。どうしたらいいかわからなくて、わたしから目を逸してしまったけれど。

「名前ちゃん?置いてくよ〜」
「わ、ごめんごめん」

少し先にいる友達に追い付く為に小走りをする。せっかく恋人になったのに、どうしたらいいかわからないごめんなさい、せんせい。



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2009.1001.雫
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