その手を掴めば


激しい雨が降る夜。一人の女の子は泣いて呟いた。この家から抜け出したい、と。
しかしそんなか細い声が聞こえるはずもなく雨音と共に消えてゆく。

ふと、人の気配を感じ窓を見やればそこには白いハットに白いマントの青年がいた。
彼女は弱々しい声色で彼の名前を呼んだ。

『キッド?』

キッド「お久しぶりですね」

『どうして、』

キッド「何がですか?」

『どうして来たの?』

キッド「貴女が助けを求めてるような気がしたので」

『私は、助けなんて呼んでない』

キッド「なら、何故泣いているのですか」

『それは、』

キッド「貴女は十分頑張りました。だから、もういいのではありませんか?」

『駄目だよ。私はこの家から逃げる事は出来ない。私の未来はもう決められてるの』

キッド「それならば、私がその未来を変えてみせます」

『え?』

キッド「私を信じて下さい」

と、キッドはそっとなまえを抱き締め言った。その優しさに一粒の涙を流すなまえ。
恐る恐る差し出された手に自身の手を重ね、なまえは言った。

『私をここから連れ出して』

キッド「もちろん、喜んで」

キッドは微笑み返す。いつの間にか雨も止み、夜空へと二人の姿は消えてゆく。

「その手を掴ば」
きっと未来は変えられる。

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最初は快斗くんの予定
だったんですがキッド
のが合う気がしたので
キッドにしました!
私もキッドに連れ出して
もらいt…いえ、なんでも
ありません、はい(笑)


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