夜久衛輔くんとおはよう
一週間程使って行われる長い合宿も中盤を迎えた頃、疲れが出始めたせいか将又朝が弱いだけなのか。マネージャーの一人であるなまえがまだ夢の中に居ると知った音駒の母、元いなまえの彼氏、夜久衛輔は彼女を起こすためにすやすやと眠る彼女の横に腰を下ろした。

「ほらほらなまえ起きろー」

『………もり、すけ、せんぱ…?』

「合宿中に遅刻なんて許されないぞ?」

『まだ、ね…る…』

「寝ません寝れません」

『や』

「嫌じゃありません。だから早く寝ろって言ったのに」

『んー…』

「なまえが起きてくれたら俺頑張れるんだけどなぁ」

『お、きる…』

「ん、はよ。おいで」

夜久と聞きもそもそと覚醒はしていないものの起きた彼女は両手を広げ待っている夜久の胸へと飛び込んだ。今にも寝てしまいそうであるが一応起きてはいるようだ。

「夜更かしした次の日は何時もこうなるのになんで夜更かししたんだよ」

『ごめん、なさい。昨日思った事を纏めてたんです。少しでも役に立ちたくて…』

「あのなぁ、確かに嬉しいけど、なまえは居るだけで役に立ってるの。だから無理してまでしない。解った?」

『はい…』

「んじゃ、俺も充電出来たしそろそろ行くか!早く行かねぇと煩い奴らがいるからなー」

『怒ってない、ですか?』

「甘えるなまえの姿も見れたし怒ってない」

自身の腕の中で眉を下げ問う彼女を安心させるようにそう告げれば安堵の溜め息と共に彼女は笑った。
このあと部員にあれこれ聞かれたのはまた別の話。



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