「おーいなまえ起きろー」
『…』
「まだ合宿中だべ?やる事あるだろ〜」
『まだ…寝れ…る……』
「寝れません。起きなさい」
『…こーし、くん…?』
「おはよ」
『おは、よう…』
「こーら。寝ようとしない!」
と、再び眠りに就きそうな彼女の額をこつけば痛い、と小さな声が聞こえ彼女が起きた事を確認する。と言っても彼女の寝起きは誰もが話し掛けるのを躊躇う程に怖い。元々テンションの低い彼女のテンションがより一層低い為に機嫌が悪いと捉えられがちであるが低血圧の為に声が出せないだけなのだが。当然、それを理解している菅原は尚も優しく彼女に声を掛けている。
『起きる…』
「偉い偉い。着替えようなー?」
『こーしくんが…して……』
「いやいやいや、それは流石に駄目だべ。合宿中は駄目だべ」
『じゃあ…ぎゅー…って…して…?』
「朝のなまえは甘えただなー」
まだ夢と現実の狭間に居ながらも自身を求め甘える彼女が可愛くて抱き締める腕に力を込めればまた、嬉しそうに笑った彼女。覚醒後との違いは一目瞭然で、小一時間もすれば完全に覚醒してしまった。