『待って!置いていかないでっ!!………夢?か、………』
嫌な夢を見た。幼い頃の夢。なんで今更こんな夢を見たのかなんて解らないけれど、怖い、寂しい、もう独りぼっちは、嫌、、、
心臓もばくばくと煩い。煩くて、息が苦しくて、このまま止まってしまいそうで、怖い、秀くん………
「呼んだ?」
『秀、くん?なんで、居るの?』
「んー、愛の力ってやつ?なまえちゃんが呼んでる気がしたから直勤終わって来た」
『秀くん…!私独りぼっちになりたくないよ!!怖い、独りはもう嫌、嫌だよ!!』
「落ち着けって!俺はちゃんと此処に居る、なまえちゃんの目の前に居るから、な?」
何ともタイミングよく来た縢を見るや否や抱き着き、大粒の涙を流しながらただひたすらに"独りは嫌だ"と懇願する彼女を優しく、壊さないように、包み込むように抱き締めてやれば漸く落ち着いたのかぽつりぽつりと話し出した。
『小さい頃の夢を見たの』
「小さい頃?」
『うん。お母さんとお父さんが私の目の前で死んで独りぼっちになった時の夢。だから、怖い。また独りぼっちにされる気がして、怖い。秀くんも慎くんもギノさんも征陸さんも朱ちゃんも弥生ちゃんも四恩さんも居なくなっちゃう、そんなの嫌だよ…!』
「ばーか。俺は何時だってなまえちゃんの傍に居る。アンタを置いて逝ったりしないっての」
『本当に?』
「ああ。逝く時は一緒だ。そうすればなまえちゃんは向こうでも寂しくないだろ?俺も嬉しいし」
『秀くん……大好き、』
「俺も。だから安心して寝な。今日は一緒に寝てやっから」
『うん、おやすみなさい』
「おやすみなまえ」
言葉と共におでこに優しくキスを1つ落とせば嬉しそうに笑い、彼女は再度眠りに就いた。この世界で、執行官で、約束などあってないようなものだがそれでもその約束を信じて。
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サイコパス、漸く1期を見終わり、衝動的に書きたくなったのですが、せめて夢の中だけは幸せなお話が書きたい。(笑)