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本当はね、

「うっ・・・・ぅう・・・」
「いい加減泣くのをやめたらどうだね・・・早く行きたまえ、創痍」
「だって・・・だって半月も久秀に会えないんだよぉ・・・?!俺死んじゃう・・・!やだよぅ・・・」

久秀の腰に抱き着き、瞳からはぼろぼろと大粒の涙をこぼすのは久秀の忍であり恋人でもある創痍だった。久秀は上からさぞ不快そうな顔をして創痍を見下ろした。

「いいから行きたまえ」
「 ぎゃぁああっ!」

久秀が創痍を足蹴して振り払うと左手の指をすった。その瞬間創痍は爆風と共に城から吹き飛ばされてしまった。久秀は遠目に創痍が消えたのを確認すると踵を返し、自室へと戻っていった。

創痍が半月も会えない、と言っていたのは、久秀が新たな任務を彼に与えたからであった。ただ今回はいつものように一週間ほどで終了するものではなく、大和から遠く離れた奥州の方面に行き、"宝"の情報を手に入れるものである。そのことを創痍に述べたときの顔といったら、まるでこの世の終わりのような表情をしていた。しばらくあの煩いのがいなくなる、そう思うと久秀はたまらなく嬉しかった。これであれに惑わされることなく、芸術品の鑑賞にも、執務にも専念できるのだ。

しかし、久秀がそう喜んでいたのも最初の一週間だけであった。


「・・・・あの犬め、手早く終わらせて帰って来れば良いものを」


久秀は自室で一人、創痍の前では絶対に言わないような台詞を呟いた。いくらあの五月蠅い創痍といえども、恋人。彼が城を離れる前に、あんなに肌を重ねたはずだった。しかし久秀の身体の熱は抑えきれるようなものではなかった。
ふと、目を机の傍にやった。そこには創痍が久秀の自室に忘れていった着流しが畳んだまま置いてある。久秀はそれを数秒見つめた後そっとそれを手に取った。そっと、着流しを撫でるとかすかに創痍の残り香がした。途端、今まで見て見ぬふりをしていた欲望がふつふつと沸き出てきた。

「っ、 」

敷いてあった布団に横になる。創痍の着流しを片手に、自らの寝間着の帯を解いた。胸元を片手で貪ると、下半身は徐々に熱を持ち始めた。

「ん、は・・・ ァ、」

熱を持つ下半身を布団に擦り付ける。前後に腰を揺らすとそのたびに久秀の身体に甘い痺れが走った。

「創痍・・・ッ、 創痍・・・」

漏れるのは切なげな声。ただ、刺激が足りなかった。そのとき、ふと久秀の頭に過ったのは、机の引き出しの奥深くにしまっておいたモノのことだった。


*


「あ゛ッ・・!ひぁぁああっ!!イっ、 んはァあッ・・!!」

あれから更に一週間。久秀は自室で一人、自らを慰めていた。以前と違うのは、久秀の声がひどく上擦っていることと、久秀がある道具を使っていたことだった。彼の尻は以前創痍が手に入れたあの南蛮玩具を咥えこんでいた。

「・・・ ゃ、あぁああッ! んぅっ・・」

内股はがくがくと震え、久秀自身からは半透明の精液がとろりと溢れた。半開きの口からは桃色の舌が覗いて、口端からは涎が垂れていく。久秀は玩具の、人間では出来ない動きにすっかり翻弄されていた。一週間前にあの玩具の存在を思い出してからというものの、初めは使うことに抵抗があった。が、一度その快感を経験してしまえば、二度と忘れることができないような代物である。創痍が不在の間だけ。そう考えて、晩になるとあの玩具に手を伸ばしていた。そして彼の片手には創痍が忘れていった着流しがあった。

「 創痍、 いく、 ィくぅっ・・・!」
「・・・久秀」

久秀がまた達したそのときだった。彼の背にずしりと重みが走って、彼の耳に久秀の名前を呼ぶ創痍の声が届いた。

「 へ、 ぁああ゛っ?! 」

自制することもできず、精液を吐き出す。布団にぱたぱたと滲みが出来た。

「かぁわいい、俺がいなくて寂しかった?」
「な、 ・・?う、そ・・ 創痍・・・?」

夢か現か、突然の出来事に久秀は驚き、創痍の存在を確かめようと後ろを振り向く。行燈の明かりに照らされて、ぼんやりと浮かび上がったのはさぞかし嬉しそうな創痍の緩んだ笑顔だった。


「でももう俺が帰ってきたから大丈夫だよ。本物の、ほしいでしょ?」
「ひっ・・・ん、・・!」

久秀に覆いかぶさるようにして創痍が背後からぴったりと密着している。創痍はそう言うと久秀の耳をねっとりと舐めあげた。その瞬間久秀の身体がぴくりと震える。

「 創痍っ・・・、」

自慰の姿を見られたという羞恥心よりも、半月ぶりに創痍に会えたということの歓喜のほうが大きかった。接吻をせがもうとしたとき、創痍が未だ久秀の中にある玩具に手をかけた。

「ふぅん・・・やっぱ久秀これ気持ちよかったんだねぇ、」

そう言う創痍の顔は少し不満そうだった。

「ぁ、・・創痍、だめ、だ・・・ひッ!」
「でも俺の着物をおかずにしてくれてたんだぁ・・・?」
「・・っぁあ?!」

ずるずると、焦らすようにゆっくりと、少しずつ久秀の中から玩具を取り出していく。久秀はその何とも言えない感覚に身をよじらせた。

「創痍っ・・・!はや、くっ・・・ぁ、あっ!」
「んー?」

その瞬間、創痍が勢い良く玩具を引き抜いた。玩具の疣が久秀の胎内をごりごりと擦りあげて、久秀の背が弓なりに曲がった。

「もう十分に慣らしてるから大丈夫だよね?」

久秀の身体を反転させて、向き合うような体勢になる。接吻を交わして互いの手を握り指を絡ませた。行燈の光のせいで少しだけ影の落ちた創痍の顔がやけに艶めかしく見えて、久秀は不覚にも心臓が早くなるのを感じた。

「久秀・・・」
「ん、創痍っ、ぁ、あああぁあッ!!」

待ちわびた創痍のモノに歓喜で身震いがした。

「ひ、 はぁ・・っ、あ、 つぅ・・・!」
「久しぶりだし余裕ないよ俺、久秀、ごめん手加減できないっ・・・」
「別にいい、っ・・創痍、 もっと、」

すがるように創痍の手を握った。すると創痍もまた強く握り返してきた。

「 すき、」


*


「あ゛ー・・・・つかれたぁ・・・」

隣で突っ伏した創痍の横顔を何とも言えなさそうな顔で久秀は見た。あの後しばらく創痍から解放されること無く何度も抱かれたのだが、今思えば創痍に自慰の様子を見られてしまったのだ。途端に羞恥で顔が赤くなってくる。

「どうしたのー?」
「・・・・否、なんでも無いよ」

すると創痍が久秀を引き寄せ、耳元に唇を寄せた。

「今度はちゃぁーんと最初から最後まで見せてね?」
「っ・・・・!この馬鹿犬が!」

創痍の頭をはたくと、痛い、という声よりも前に気の抜ける笑い声が聞こえてきた。その久しぶりのやり取りに久秀も思わず笑みがこぼれてしまった。


本当はね、




fin

*11万打御礼企画
雪弥さまに捧げます。
私が以前365に掲載してたネタからリクエストをしてくださいました!!
書いてる途中久秀さんの自慰シーンとかかわいすぎるとかニヤニヤしながら書いてました(爆死
リクエストありがとうございました!お持ち帰りなどは雪弥さまのみ可能です。