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シークレットシークレット

私だけしか知らないことがたくさんあって。クラスのみんなが先生のことをどう思っていたとしても、私だけが先生のことを好きならそれでいい。先生の声、絵筆を持つごつごつした長い指、きれいな顔。全部ひとり占めにしたい!

そんな旨を松永先生に伝えたら、先生はふ、と笑って


「卿は私より強欲な女性だな」


絵を描く手を止めずにそう言った。先生のキャンバスの様子は見えない。私は美術準備室にしては広すぎる場所で、先生と二人きりだった。窓際にある大きなボルドーの色をしたソファの上で半裸のまま寝転がっていた。ずっと同じポーズをとっててきつくなったから少しだけ身じろぎをした。すると先生から『動くな』という低い声が飛んでくる。この声が私は妙に好きで、先生に何か言ってほしくてわざと動いてみたりすることがある。先生はそれに多分気付いているんだろうなあ、でも何も言わない。


ぺと、ぺと

筆がするするとキャンバスの上を滑って。ちらりと先生を見ると目が合った。


「・・・・ひさひでさん、 好き」


なんとなくそんなことを言った。松永先生は一度瞬きすると、筆を置いて立ち上がった。そのままゆっくりと私のもとに歩み寄ってきて、ソファの肘掛に腰を下ろした。先生が眼鏡越しに私の顔をじっと見て、ゆるりと私の前髪をかきあげた。


「欲望に忠実なのは実に好ましい、・・・私は君のそのようなところが好きだよ」
「名前で呼んでほしい、 です」

「  創痍、」


先生の低い声が私の名前を呼んだら、耳とか、頭の中とか。全部先生のことでいっぱいになった。どうしよう、止まらない。先生のことが好き、久秀さん。


もう一度名前を呼んだら、目の前が先生でいっぱいになった。



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*tororoさまリクエスト
女主人公/先生×生徒でした。
松永先生は美術教師でヒロインは先生とお付き合いしてる女の子です。

女主人公で書くのはおそらくこれが初めてだと思います(^o^)
松永さんを好きになった最初の頃はノーマルな夢小説を読み倒してまして!
そのうち男主人公にはまった・・・というわけなんです。

かっこいい久秀さんかどうかは分かりませんがこんな感じで・・・!
お持ち帰りなどはtororoさまのみ可能です。
リクエストありがとうございました!