何かを護る為には何かを犠牲にしなければ、護ることなんて出来はしない
※もしもボーグが消えちゃって美雲と対峙したら、オチはお任せします※
(postにてリクエストありがとうございます)
任務中にボーグと通信が途絶えた。
ドラケンもレーダーからも消えてしまった。
その時俺の頭ん中は真っ白になり視界は真っ暗になった。
フレイアを裏切ってまであの手をとった1人の恋人がたった一瞬で消えてしまった。
『 ボーグ…どこだよ… 』
安全な場所にドラケンを止めて自身も降りる。
さっきから走馬灯のようにチラチラと脳裏にボーグとの記憶が映る。
どの記憶のボーグはルンを馬鹿みたいに光らせていて。
早くこの笑顔を見つけなければ、と焦りが出てきた。
アイツすぐ泣くから俺が隣にいてやらないと。
隣で手を繋いどかないと、ボーグが…。
「 レミア…? やっぱりレミアや! 」
『 え、フレイア? なんでここに… 』
色鮮やかな緑の草の上を小走りで駆けてくるフレイア。
その首には遺跡で俺が渡したネックレスも掛けてある。
「 なんとなく、ここにレミアがいる気がして…その! レミアが捜しとるのって、この前遺跡で抱きしめとった人、やんね…? 」
『 は? なんで俺がソイツを捜してるって思うんだよ 』
「 …レミアがそんなに顔色悪い状態で捜すのなんてあの人しかおらんもん。それに、あの人エリシオンにおって… 」
エリシオン、それはワルキューレ達が乗っている艦の名前だ。
助けなきゃ、そんな奴らの手に渡すわけにはいかないんだから。
『 …連れて行ってくれるの? 』
俺の質問にフレイアは静かに頷く。
きっとタダでは返してくれない。
そんな予感は当たるから。
『 ……で、返してほしかったらこちらの情報を話せと? 』
「 えぇ。私が拾ってやらなかったらその辺で野垂れ死にしてたのよ? 」
『 ハッ、随分と上からだな、美雲・ギンヌメール 』
「 彼の命の恩人だからね。上からにくらいなるわよ 」
ワルキューレはどうやらボーグを艦長やらには説明していないらしく、ただ俺が来るのを待っていたみたいで。
まぁでも全員いるわけではないみたいだ。
気配は俺の隣にいるフレイア、目の前の美雲を除くとボーグじゃないのが1つだけ感じる。
厄介なことはしたら危ないって話か。
『 ナメるなよ、美雲・ギンヌメール。そう易々と俺が情報を吐くとでも? 』
「 あら、彼の為なら言うと思ったんだけれど 」
『 残念。俺口は軽くないんだ。でもボーグの事もあるからな…情報を吐く、冷戦類以外なら聞いてやってもいい 』
「 へぇ? それじゃあ、そうね… 」
すると美雲は俺に近づくと耳元で呟いた。
その言葉に俺は唖然としてしまう。
何が女神だ、コイツただの腹黒女王じゃないか。
「 どうかしら? 」
『 ……分かった。それで手を打つ 』
「 そう言ってくれると思ったわ。着いてきなさい 」
心底嫌そうな顔をしても嬉しそうな顔をする美雲。
この条件を飲まなきゃきっとボーグは返してもらえない。
「 ここよ。彼、この中にいるわ 」
『 …どーも 』
「 ふふ、約束、忘れないでね 」
『 ……なぁ美雲。聞いてもいいか、心が自分に向けられてもないのにつき合って楽しいもんなのか? 』
「 楽しいというより嬉しいわよ。だって好きな人なんだから 」
それだけ答えると美雲は来た道を戻っていく。
小さな小屋の中にはボーグが寝ていて。
怪我もしているけどちゃんと手当はしてくれてたみたいだ。
俺より少し小さな手を握る。
『 ごめん、ごめんな、ボーグ 』
「 …レ、ミア…? 」
『 ボーグ! よかった、本当によかった… 』
「 俺、なんでここに… 」
『 ボーグ。いいか。お前のドラケンはもう破壊されてもうないからこのまま真っ直ぐ行った丘の上に俺のがあるからお前はソレで戻れ 』
「 え、でも、そしたらレミアは… 」
1分1秒でも早くこの場を離れてもらいたい。
別に爆破とかするわけじゃないけど、傍にいたら、手が届く距離にいたら美雲の条件は飲めなくなる。
『 俺の事は気にすんな。……なぁ、ボーグ。俺の事好きか? 』
「 はぁ!? 何言って…好きじゃなかったら、あんな事してないし… 」
『 そっか。俺も好きだよ。でも今は別れてくれ 』
「 …は? なんで!? 」
『 …俺はそっちには帰れないから。だからいつか、いつか迎えに来てよ 』
「 まって! 事情を説明しろ! 」
言えない
交換条件だった、なんて
『 ほら、さっさと立つ 』
「 いやだ! 事情を話すまで戻らない! 」
『 …俺、空中騎士団抜けるから 』
「 な、んで… 」
『 空中騎士団抜けてコッチでやりたい事があるから 』
「 ……ちゃんと、戻ってくるよな…? 」
『 …さっきも言ったろ? 俺からは戻れないって 』
涙を流すボーグを無理矢理ドラケンに乗せる。
どうかお前は何も知らないままであってくれ。
ボーグの返事も聞かずに俺はその場を離れた。
ドラケンが飛んでいくのが見える。
ごめんな、ボーグ。
『 …これでいいのかよ、美雲・ギンヌメール 』
「 あら? さっきみたいに美雲でいいのに 」
『 …美雲 』
「 それでいいわよ。今日から恋人同士ですもの 」
そう微笑む美雲を女神と呼ぶのはやはり俺にはできない行為だ。
End…?
美雲さんのカードこなくてむしゃくしゃする。
この男主なんですけど連載すべきですかね?
bbSやpostにてご連絡お待ちしております
[ 3/3 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]