所有物には印を

※少し注意







朝日がカーテンの隙間から入る。
目が覚めると俺の心臓は5秒程止まっていたかもしれない。

「 クゥ…スゥ… 」

深い眠りについている目の前の人物のせいで。
いや、彼…ボーグが寝ている時に俺の部屋に入ってきて布団に入ってくる事はよくある事だからいいんだけど、なんでお互い裸なんだろうか。

『 おい! ボーグ! おいってば! 』
「 ん…ぁれ…レミアだぁ… 」

朝から脳天ぶち抜きそうな破壊力がやばいふんわりとした笑顔で名前を呼ばれまた眠りについた。
チラッと肌を見るとボーグの白い肌には所々赤い花が舞っている。
思わず頭を抱えてしまった、理由は1つ。
夜の記憶が一切ないのだ。

『 ボーグ、なぁボーグってば。昨日の夜の記憶言えるか? 』
「 ん…激しかった… 」
『 ……ま? 』

と、言うことはこの髪を解いた女みたいなボーグを俺は抱いたということなんだろう。
夜に相当無理させたのかすぐ寝てしまう彼からこれ以上は聞けなかった。

『 昨日なぁ…酒は飲んでないはずだから… 』

そして複数の可能性が上がり考える。
1.変なもん飲まされた
2.きっとこれはまだ夢
3.結局何も無い
どうか3であってほしい(切実)

『 好きな子を変なモン飲まされて抱くのは嫌なんだよな… 』

そう呟いて目の前で寝てるボーグの頭を撫でる。
本当に黙ってれば可愛いヤツだ。
あ、訂正、うるさいとこも可愛い。

『 ボーグさーん…おーい…そろそろ起きねーと 』

あれから1時間程ボーグの寝顔見つめてたり髪を弄ったりしていたがコイツが起きる気配は全くない。
それよりそろそろ起きないと他の空中騎士団が起こしに来る可能性もあがってくる。
こんなところを見られると俺もボーグも立場ってものが危うくなる。

「 …、レミア…? 」
『 お? 起きたか 』
「 …うん 」

低血圧なのか顔がとにかく酷い。
ベッドに座ってる俺の腰に抱きつくあたりまだ半分くらい寝てるんだろう。

「 …嫌な夢、見た 」
『 どんな? 』
「 ……レミアが死んじゃう、夢 」

弱ってる子の心に漬け込むのはよくないぞ神様。
日頃の戦闘で疲れてるっていうのにそんな夢はよくない。
こんな時ってなんて声をかけるべきなんだろう。
弱ってるボーグ…で、俺関係…だから…。

『 …ボーグ。好きだよ 』

こう言うと安心してくれるだろうか。
寝起きの彼を見ると顔を真っ赤にさせルンをこれでもかと言うほど光らせている。

「 お、俺の方が好きなんだからな…! 」

そしてグリグリと頭を腰に擦り付けてくる。
こう見てるとネコみたいだな。
そんなボーグの頭を撫でていると突然扉が開く。
ノックも無しに扉を開ける人物は2名。
1人はボーグ、もう1人は…

「 レミア、起きてる…か… 」
『 わぁぁぁああ!? 白騎士様ぁぁぁあ!? 』
「 にゃっ!? 」

慌ててボーグに布団を被せ立ち上がる。
1番見られたくない人物に見られた。
終わった俺の騎士人生。

「 …すまない、邪魔したな。それと、おめでとう 」
『 は? 』
「 に? 」
「 お前達分かりやすかったからな。今日はゆっくり休むといい 」

そう微笑んで出ていく白騎士様。
あっれ!? あれれ!?
俺ってそんなに分かりやすかった!?

「 …白騎士様公認だな! 」
『 お前は嬉しそうな顔するな! 』

布団からひょっこり顔を出して寝ぼけてる時とは違う破壊力の笑顔で俺の顔が真っ赤になる。
でもようやくこれで堂々と一緒にいれるわけか。
それはそれでいいかもしれないな、と思いボーグにキスをした。
結局なんで抱いたんだろう。


End

この2人シリーズ化できそう。
リクエストあればするかも…?

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