世界一ふたりぼっち





アウルが消えた。





その瞬間を敵艦の中で見ていた。





ただ唖然としている事しかできなかった。





気づいたら涙が溢れていた。





一瞬で命は消えた────





『 地球の冬って寒い… 』


戦争は終わった。
大事な人を失ったレミアは終戦後平和に暮らしていた。
結局自分が戦っていた意味も見つけられないままはや1年が過ぎようとしていた。


『 雪も積もってるなぁ… 』


冷たいと分かっているのに雪に触れてみる。
この冷たさは "あの日" の海と同じくらいだろうか、と考える。


『 私って何がしたかったんだろう 』


戦う意味も見つからず大事な人を殺した。
もし自分がザフトでなかったら彼は死ななかったのだろうか。


『 …さっむ 』
「 おーい、いい歳こいてそこに屈んでるバカ 」


寒いと、冷たいと分かっているが泣きたい時には丁度いいくらいだった。
よりによって今幻聴が聞こえるから泣きたくて仕方なかった。


「 聞いてんのかよ! バカ! 」
『 あぁもううるさいな! その声ではな、す、な… 』


その声はアウルの声なのだから他人が出していいものじゃないと思い振り返ると思わぬ人がマフラーを巻いてナイロン袋を手に持ち仁王立ちをしていた。


『 なんで… 』
「 はぁ? なんでって意味わかんね! ほら、帰んぞ! 」
『 え、ちょ、ま… 』


そこにいたのは間違いなくアウルで。
あの時よりも少しだけ身長が伸びていて、少し髪も伸びている。


『 離してよ! アウルは、アウルはあの日死んだ! シンに殺された! 生きてるはずがない、』
「 …その事も話すから。今は帰ろ? 」


優しく手を握られゆっくり歩いて自宅に向かう。
もしこれが幻聴で幻覚なら消えないでほしい。
私がこの場で消えてもいいから彼だけはどうか、といるはずのない神に頼る。

静かに雪が降る中、電灯が照らすからまるで他の人はいないみたいだ。


End

ムウさんが生きてたならアウルだって生きてていいじゃないかって感想。
ニコルやクロトばーじょんもかきたい。

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