アウトオブ眼中



(!学パロ)


「すいません」

今1人の少女の恋が儚くも散った。
泣きながら去っていく女子を僕は窓から眺めていた。
かなり可愛い子だ、見たことないから年下だろうか。



「覗き見は趣味が悪いと思うのですが…」

さっきの女子の一世一代の告白を断った男はため息混じりに上を向き僕へ言う。

「教室の下で告白されてたら嫌でも視界に入るよ」

たまたま日誌の書き忘れを埋めていた時に窓の下から聞こえた告白劇。しかも同じ部活の友人の河合が中心人物。
多少は興味惹かれて身乗り出したところもあったけど、『覗き見』と言われる筋合いはないはず。あくまでたまたま目撃してしまっただけ。

「存在を消して身を乗り出すのがあなたの"嫌でも視界に入る"なんですか」

思い切りばれてた。
わざとらしく「ばれちゃってたかー」と言うとまたため息をつかれた。





「でも勿体ないなー」
「何がですか」
「今の子可愛いかったから」
「ああ…あんな感じが好きなんですか?」
「好きっていうか、可愛いなぁって」
「へぇ…」

河合の目が少し鋭くなったのが、二階の教室からでもわかった。
何か考えてるのかな?

「河合はあんな感じの子好きじゃないの?」
「別に好きでも嫌いでもどちらでもないですね」
「なら別に振らなくても良くない?」
「いきなり知らない人間に付き合ってくれと言われて付きあえれます?」
「それは…」

告白なんて体験一切ない僕からしたら、あの子が告白してきたらOKしちゃいそうな気もするけど、
確かに性格も、下手したら名前も知らない子にいきなり言われても困るところだよね。



「それに僕には想い人がいるので」
「そっかー想い人がいればそりゃ断……え、想い人!?
河合って好きな人いたの?」
「なかなか失礼ですね、いますよずっと片思いですけど」

なんか意外だ。
河合って色恋沙汰に興味ないとか、そういう感情にクールな奴だとか思ってた分驚きだ。
しかも河合ほどの男が片思いって…一体どんな人なんだろ。すごい気になる。

「初耳だよ、どんな人?」
「そうですね、いつも一緒いるんですけど、鈍感で…たまに僕の事を苛立たせます」
「顔とかは?どんな感じ、可愛いとか」
「…整った顔ですかね、可愛いというより男らしいような…」

いつも河合と一緒にいる女の子なんていたか?鈍感で男らしくて整った顔?
全然想像がつかない…。



「見てみたいなぁ、あの河合に思われてる子…写真とかないの?」
「……鏡見てきたらどうですか?」
「鏡?
え、僕なんかついてる?」
「……………」

あれ?
河合、呆れてる?なんで?

「はぁ…、僕先に部活に行きますね」
「え、ちょっと待って今下に行くから一緒に行こう!」
「いいですけど、今僕機嫌良くないので30秒しか待ちませんよ」
「う、うん?」



30秒以上はかかっただろうに下に降りると河合はちゃんと待っていてくれた。
部室への道のり盛大なため息をついて「鈍感って本当に難儀なものですよね」と言うからよくわからないものの「頑張れ」って言っておくとまたため息をつかれた。























アウトオブ眼中
(自分の事だって全然わからないんですね…)
(何かいった?)




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ずっと昔から書くつもりだったネタ
前にも書いたような気もする…
高い所と低い所との会話ってなんかいいですよね、青春って感じですよね!


100211



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