.「臨也ねぇ…顔だけは良いからねアイツ」
昔、新羅が溢したその言葉がやけに印象に残っている。確かあの時は本能的に、気持ち悪い、と返した気がする。
「…俺の顔になんか付いてる?」
「……いや」
「シズちゃん俺を見すぎ」
「見てねぇよ」
「見てるじゃん」
「ああ見てるよだからなんだ死ね」
「開き直らないでくれる?」
まあ確かに…ブスではない。むしろ。俺好み…っつーか…。
「…っんな訳あるか!」
無防備だった臨也の頬をつい殴ってしまった。油断しきっていた奴は軽く吹っ飛んだ。コンクリートに打ち付けられて暫く微動だにしなかったが、やがてゆらりと顔を上げた。
「…まじ、しねよ。なんなのいきなり」
でもやはり赤く腫れた頬もだらだらと血が流れるひしゃげてしまった鼻も、
「「…ムカつくんだよ」」
悔しいことにめちゃくちゃ好みだった。
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