Main静臨 | ナノ




※LINEのトーク画面みたいなものだと思ってください









『今日そっちいく』
『は?』
『もう電車のった』
『俺仕事溜まってるから今から来られても困るんだけど』
『しらねえ』
『死ねよ』
『てめえがしね。もうすぐしんじゅくつく』
『ふざけんなバカシズ』






『おい』
『何』
『むかえにこい』
『死ね』
『てめえがしね。雨ふってきたからはやくむかえにこい』
『タクシー使えば』
『金ない』
『コンビニで傘買えば』
『金ない』
『なんで電車賃で全財産使い切ってるわけ?馬鹿なの?死んでよ』
『てめえがしね。いいからはやくこい』
『絶対イヤ』
『雨にぬれたままてめえのベッドにダイブするけどいいか』
『…じゃあちょっと待ってて。出来れば死んで』
『てめえがしね』







『着いた』
『ん』
『どこ?』
『こっち』
『こっちだけじゃ分かんないってば!西口?』
『探せ』
『はあああ?』
[不在着信]
『ちょっと電話出てよ!』
『おれからは見えるぞ』
『悪趣味!死ね!!!』
『てめえがしね。はよ探せ』





ぽこぽこと軽快な通知音を鳴らし続けるスマホを眺めながら静雄は緩む口元を掌で抑えた。駅のすぐ前の喫茶店からは、 傘を2本持ってウロウロする臨也がよく見えていた。

「……あーかわいい」

静雄はしばらくそれを堪能したあと、まるでこらえきれないというように独り言を呟いてやっと席を立ち上がったのだった。


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