Main静臨 | ナノ




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「は?」

お風呂に入っていたらいきなりドアが開いてシズちゃんが中に入ってきた。シズちゃんは仕事が終わったらよく俺のマンションにくる。よくというかまぁほぼ毎日なんだけど。そして俺の作った夕飯を二人で食べて食器洗って、テレビ見て風呂入ってイチャイチャして就寝。そんな夜を毎日サイクルしている。
今日も例によってシズちゃんは俺の自宅を訪問して二人で夕飯を食べた。ちなみにメニューはシチューだった。そしてテレビを見ている間に風呂が沸いたから先に入るね、とシズちゃんに一言告げて洗面所に向かった。
うん、ここまではいつも通りだな。で、シャワー浴びてたらシズちゃんが乱入してきた、と。
何この超展開。
どうしてこうなった 。

「え、えっ?」

動揺を隠せないでいるとシズちゃんは何食わぬ顔でドアを閉めて俺を壁に押し付けた。
ちょ、力強っ!

「えーっと、静雄さん?何の用ですか?」

もうなんなのシズちゃん。ホント訳分かんない。君は腰にバスタオル巻いてるからいいけど俺なんかすっぽんぽんなんだからね。……クソ、腹筋割れやがってかっこいいんだよ。
完全に混乱しているとシズちゃんはじっと俺を見てから

「……ムラムラした」

とほざいた。
まぁね、こいつを前にして抵抗なんかしても無意味極まりないってことくらい分かってるさ。分かってるけどさすがに今の理由で襲われるなんて理不尽すぎやしないか?
君もそう思うだろう?
頷けよバカ!

「 は な せ !! 」

ぐぐぐ、と手首に力を入れるけどびくともしない。シズちゃんの目は、なんかもう獲物を捕食せんとばかりにギラギラしていた。非常にまずい事態だ。

「大人しくしろっつーの」
「うるさいうるさい!シズちゃんの馬鹿!変態!」

もうヤケクソだ。いつもみたいに的確に悪口を言うような余裕はない。取り乱して我を忘れている俺を見て奴はニヤリと笑い下半身に手をかけた。
あ、終わった。







「ぅああ、あっ、ひあ!」

あられもない声が出た。
状況を説明すると俺はタイルの上に転がされており、尻をいじられてます。もう恥ずかしいのなんのって。
羞恥からくるものなのか単にのぼせただけなのか分からないが体中が熱くて、きっと顔も真っ赤なんだろう。

「臨也くんよぉ、もう三本入ってるぜ?分かるか?」

いちいち報告してくんな馬鹿野郎!しかもなんだそのありがちなエロ漫画のようなセリフは!シズちゃんのイメージが壊れ…いやもうとっくに壊れてるか。

「も、ふざけん、な…ッ」

力を振り絞って足をばたつかせるが、容易に足首を掴まれる。そのまま両足首を全開に開かれた。
まじ死ねばいいのに。

「丸見え」
「シズちゃん早く死んで」

いやらしく口の端を吊り上げていい眺めだ、なんて言ってくるこの男はもうシズちゃんなんかじゃない。抵抗する力も抜けてとうとうなすがままになった俺は、男の下半身をいじって何が楽しいのか分からないシズちゃんに、目一杯の軽蔑を込めた視線をおくった。

「…………ッ」

しばらくして十分にほぐれたらしい後孔にシズちゃんの猛ったものがあてがわれて、思わず肩が震えた。顔を覆っている両手も僅かに震えてしまう。衝撃を覚悟して体を硬直させて いるとシズちゃんの大きな掌が前髪をすいてきた。

「臨也、」

完璧に無視を決め込んでいる俺の様子を伺うような、それはもう弱気な声色だった。
反省しろ馬鹿、怒ってんだよ。

「臨也、大丈夫か」

でも額を撫でる手付きがあまりにも優しくて戸惑ってしまう。それから上から止めどなく降ってくる湯の飛沫を感じ、今更シャワーを閉め忘れていることに気付いた。怒りが収まった訳ではないが急に冷静になってきて、背中に感じるタイルの冷たさがつらくなってくる。顔を覆っていた両手の指の隙間からシズちゃんを窺うと心配そうに眉をしかめていた。

「……なんなのその顔」

らしくないだろ。
呆れたように尋ねたが、シズちゃんは俺の問いには答えなかった。

「なに怒ってんだよ」

質問に質問で返すな。
手をどけて睨み付けると額にキスをされた。
慰めてるつもりなのか。こんなことするなら最初から襲わないでもらいたい。
そんなに溜まってたの?そう聞こうと思ったけど、そういえばここ2週間くらいシてなかったなぁと気付く。仕方ないだろ、お互い忙しかったんだ。それでも言ってくれたら相手はするのに、こんな強姦まがいなことしなくたっていいのにさ。

ほんと、馬鹿。


「………いれれば?」

俺はほんとシズちゃんに甘い。惚れた欲目っていうのかな、これって……あーもうどうでもいいや。

「……いいのか?」

シズちゃんはいれたくてうずうずしてるっぽい。声が上ずってる。……ま ぁね、俺がシズちゃんをないがしろにしてたことも事実だしね。

「どうぞ」

俺がそう言うやいなや、シズちゃんはGOサインを出された大型犬のような勢いで覆い被さってきた。ぐちりと雁首の部分がめり込んで息が詰まる。そのままぐぐっと根本まで沈めていく圧迫感にタイルに爪を立てて耐える。何度体験しても慣れないな、挿入のときって。
つーか慣れてたまるか。

「うああ、あ、いった…!」

かわいくない呻き声が口をついて自己嫌悪に包まれた。なんか知らないけど涙ぼろぼろ溢れてきたし。ちょっと惨めで死にたくなった。シズちゃんはそんな俺の頭を撫でて気遣っているようだが、体の方の気遣いは皆無だ。もう腰を動かし始めやがった。慣れるまで待てや。

「 ぅ、く…ひぃっ…あ!」

出来るだけ抑えたいのに、揺さぶられて喘ぎが漏れる。
ひんやりと無機質で冷たいタイルから指を放してシズちゃんの背中に両腕を回す。放すもんかと言わんばかりにしがみつくと、さらに体が密着して結合部に意識が集中してしまった。

「…っおい、もっと緩めろ」
「む、ぅり言うな、あッ!」

ぐっちゅぐっちゅと耳を塞ぎたくなるような水音が耳までを犯す。なんか熱いし、ぼーっとしてきた。
視界もぼやけて………。






「目ェ覚めたか」

次に俺が見た景色は風呂場の天井ではなく寝室の天井だった。
しっかりと服が着せてあってしかも額に冷たいタオルまでのっていた。

「なに……どういう状況?」

いぶかしげに目線を移すとシズちゃんは頭をかきながら言う。

「…ヤってる途中でのぼせて気絶したんだよ、手前が」

まぁ最後までやったけど、と付け加えたシズちゃんはやっぱり最低な奴だ。
だけどベッドの横の棚には水の入った洗面器や替えのタオルが何枚も置いてあり、俺の起きるまで付きっきりで見ていてくれたことが、嫌でも分かってしまって。額に乗ってるこのタオルでチャラにしてあげることにした。……愛されてるのは分かるから。




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