.※オナニー注意「う、」
ひとりぶんの喘ぎ声が事務所兼自宅に響く。
なんて無様なんだ。背徳感と罪悪感と羞恥心がない交ぜになって俺を襲う。窓にちろりと視線を移すと、まだ日は沈んでいなかった。茜色の日がベットに射し込む。綺麗だな、とか思う暇もなく俺はただ自身を慰めることに没頭していた。
なんてことしているのだろう。馬鹿みたいだ、どういう経緯でこうなった。そんなに欲求不満だったのか俺は。それにしたってまだ明るい内にこんな盛るなんて、どこの発情期の猫だ。
自問自答を繰り返している間でも手は止まらない。右手で竿を緩く扱き、シーツに顔を埋めて浅く呼吸をする。そして左手がそろそろと躊躇いがちに臀部にのびて、細い指が蕾を探る。
「ぅ、ふうっ、…あ!」
そりゃあ俺だって男だから、思春期に自慰くらいしたことだってある。でも自分で指を挿入するなんて当たり前だが生まれてこの方初めてだ。加減も何も分からず、適当に濡らした指を突っ込んだら痛みを伴って思わず小さく悲鳴をあげた。
「ん…ぅぐ、」
情けない情けない情けない惨めだ。でもここで指を引き抜いたらまた挿れられる気がしなかったから、俺は突っ込んだ指をそのままに呼吸を整えた。くに、と第一間接を曲げてみる。
まだ少し苦しいけど、さっさと終わらせる為にぐぐっと奥へ押し込んだ。自らおっ始めた癖に早く終わらせたいなんて矛盾してるけど。
「あっ、いった…ィ」
涙がぼろぼろと流れてきて、シーツに染みをつくる。半ば無理矢理に3本目を捩じ込んで、奥歯を噛み締めた。ぐじゅぐじゅと下半身から粘着質な水音が聞こえて、同時にぐすぐすと鼻をすする音も響く。なんかもう頭のなかがぐちゃぐちゃで、何してるんだろうとかいう思いはぐるぐるに絡まってどこかへいってしまった。そのまま劣情に流されて必死に抜き差しして、尿道にぐりぐりと親指を押し付ける。痛みを与えて無理にイカせようとしてもかろうじて繋ぎ止めている理性が快楽を欲している。
イキたい、イケない!
「………し、」
駄目だ。
「……シズちゃんっ」
ぐじゅ、
「っ!」
……イケた…。
どろりと白濁の液体が掌に吐き出された。思わず荒い息のままそれを凝視してしまった。
マジで?
「さ…っさいあく…!」
後からくる羞恥に押し潰された俺はそれから1週間、池袋には行かなかった。自慰さえ一人で出来ないなんて。
シズちゃんをオカズにする臨也
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