「おはよう三治郎、一平…って、どうしたの、そんな険しい顔して」
「……おはよう虎ちゃん。いやね、つい、いらっとしちゃってふふふ」
「何かあったの?」
「昨日の夜のことなんだけど……」
「うびゃっ!!ま、孫次郎…いたんだ。おはよう」
「おはよう…。昨日の夜にね、伊賀崎先輩に宿題のわからないところを教えてもらおうと、三治郎と一平が先輩の部屋に行ったらいなくて、竹谷先輩のとこにいたらしくて…」
「うん」
「何かすっごくいい雰囲気だったんだよ!」
「え、だ、駄目なの?いい雰囲気じゃ。一平」
「別に悪くないけどさあ」
「何であんないい雰囲気でぎゅうって抱きしめることの一つもしないのかすっごく不可解!」
「は」
「しかもあのまま普通に伊賀崎先輩、自分の部屋帰っちゃったしねえ」
「信じらんないよ。僕知ってるよ、竹谷先輩みたいなのヘタレって言うんだ」
「い、一平」
「虎ちゃんもそう思うよねえ!?」
「え!?あ、う、うん…」






「ん?どうした竹谷、何で委員会室の前で悲痛な顔で立ちすくんでるんだ?」
「木下先生……ちょっと世の世知辛さを体感してるところです…」
「は?」