ネムリネズミの一日


[ネムリネズミの一日]
帽子屋邸に住むネムリネズミの一日は、掃除から始まります。




「……なんでこう…、散らかすのは上手いんだか」


起きてきて、ダイニングに当たる部屋のテーブルを見るなりそう言ったネムリネズミ。飽きれて物も言えない様子。
テーブルの上は昨晩の晩餐の凄さを物語っていました。


「片付け、つーものを知らねぇのか、奴等は…」


ブツブツと言いながらも作業に取り掛かるネムリネズミ。彼女は基本、晩餐に参加しないので、やった後のみしか知りません。
彼女の一日は、こうして昨晩の後片付けから始まるのでした。

後片付けの後は朝食タイム。
作ってくれるヒトなどは居ないので、とりあえず自分の分だけを作ります。
そして出来上がりました。今日のメニューはホットサンドにちょっとしたサラダ、それに紅茶。
彼女は座ると寝る癖があるので、食べる時は毎回立って食事をします。
なのでキッチンに向かい合う姿勢で食べています。


「ん。中々旨いな。今日も上出来」


納得がいったのか、一人頷くネムリネズミ。食べ終わったら次の行動です。

次に向かうのは中庭。
今日は一日中仕事がないので日向ぼっこしに訪れた様です。
中庭には小さなテーブルが常備されています。そこは陽当たりが良く、ネムリネズミのとっておきの場所でした。


「…っあー!今日も良い天気だなあ」


ぐぐぐっと大きく伸びをし、首を回しながら小さな椅子に腰をかけます。そしてそのままテーブルに突っ伏して寝始めました。
まだ陽は真上に登ったばかりでした。


ネムリネズミが眠りこけてからしばらく経った時、一人の人物がネムリネズミの側を通り過ぎようとしました。三月うさぎです。


「…ネムリ?」


独り言のように呟き、首を傾げる三月うさぎ。しかし何をすることなく立ち去りました。
心なしか顔が赤いようです。


三月うさぎが通り過ぎてからだいぶ経ちました。陽はもう消えようと準備し始めた頃でした。
むくり、と上半身を持ち上げたネムリネズミは眠たそうな顔をしていました。
不機嫌には見えません。どちらかと言うと幸せそうでした。

ゆったりと立ち上がり、のろのろ、と屋敷に戻って行きました。


「あ、ネムリ!また寝てたのかよ」


屋敷に戻るとアリスが居ました。ネムリを見つけた途端、手を振って駆け寄って来ました。楽しそうです。


「今から夕食の準備?」

「そ。今日は猫も三月も来るらしいからちょい多め」

「ん、手伝う」

「あんがと」


寝起きだからか、簡潔なやり取りをし二人は厨房へと姿を消しました。

こうして夕食を作り、後片付けをすればネムリネズミの一日は終わります。
ベッドに潜り込んで眠り始めたネムリネズミの表情はとても穏やかなものでした。どうやら今日一日も変わらず過ごせた様です。



おわり。




………………
初めてのスピンオフです。
けど姐さんは書きやすいんで割りと早く書き上がりました!良かった良かった。

最初、全く違うものを書き出して、それを途中で放り投げ、また違う作品を書き…。と結構難産でした、今回。
この題材にしてからは早かったんですがねorz


1000hitover本当にありがとうございました!
これからもサイト共々宜しくお願いしますm(_ _)m

09/11/09 阿沙紀
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貰ってきました1000hits小説!!
ネムリ姐様だー!!RuriCanは二人とも姐さんの大ファンですサインしてください!!やっぱりアリスとのコンビはサバサバしてても女の子同士、大変可愛いです(≧∀≦)姐さんみたいな先輩がほしい。。。もしくはアリアスみたいな後輩がほしい!
そして・・・青春すね三月兎さん☆これからが凄く楽しみです〜!
阿沙紀様、素敵な小説ありがとうございましたー!




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