好きで、好きで、仕方がない。

「どうした少年。…いや、青年か。」
「いや、うん、まあ、アレだ。」
「欲情したのなら他をあたってね。」
「ちっげぇよ!」
「やった!マグマダム倒した!」

俺より二回りほど小さくて華奢な彼女はさっきから俺の膝に座って二ノ国に勤しんでいる。そんなことより俺に構ってほしいもんだ。当の本人は「魔法使いになって世界を平和にするの!」と意気込んでいる。その言い方がどうしようもなく可愛く思えた俺はもう病気かもしれない。これを青空に相談したら「バカですね。」と一蹴りされた。ひでえ。

「ん、お腹つままないでよ。」
「そろそろ構ってくんないと、俺孤独死しそう。」
「むぅ、ちょっと待って。神殿に戻るから。」

ダンジョン内だからセーブ出来ないの。そんな文句を溢しながらもちゃんと俺を構ってくれるあたりが可愛い。小動物だよなーとぼんやりと思い耽っていると、くるりと体制を変えて向かい合わせになった。

「寂しかった?」
「DSへし折ってやろうかと思ったな。」
「きゃーっ」
「はいはい。」

おでこから瞼、頬、鼻とキスをしてやるとくすぐったそうに肩をすくめる。最後に唇に噛みつくようにキスをすると決まってこう言うんだ。

「食べられちゃうかと思った。」

ああ、本当に






べちゃうぞ!
そのくらい、好きだ。











◎素敵企画サイト詩の中の物語様に提出。ありがとうございました!


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