04.懐かしむ(ブチャラティ)

 アルバムをめくると、友人たちと撮った写真にまじって、むかし彼とふたりで撮った写真を見つけた。

「あー、なつかしぃー」
「ん? なんだ」

 私の声につられてブローノくんがアルバムを覗き込む。
 距離が近くて、ドキドキする。

「ブローノくん、ちっちゃーい」

 写真の中のブローノくんは、私の記憶が正しければ、たしか11歳だったはず。
 ハイスクール時代の私に抱き寄せられて、顔を赤くしてぎこちなく笑っている。

「このときのブローノくん本当に可愛かったよねぇ」
「なんだ、お前。やっぱりガキの頃の俺が良かったのか」
「そうじゃないってば。今はなんかもう可愛いとかじゃないんだもん。カッコよくて、どうしたらいいかわかんない」

 照れ隠しで、えへっと力なく笑う。
 ブローノくんは片手で自分の顔を覆って、…お前なぁ、と呆れたようにゆっくり言った。

「お前は何も変わってねえな…」
「え? そうかな」
「そうだ。昔から俺をおかしくさせる」
「それ、私のせいじゃなくない?」




2019.05.07

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