「へぇ、そんなに最強なら仲間になるだろ?」 「…ならない、って言ったら?」 仲間になるなんて、絶対に嫌。レオを睨んで言えば、鼻で笑って他の三人を見た。 私が仲間になれば三人を逃がしてもいい、と言う。 そんな条件を出されれば従うほかなくなるじゃない。私がみんなを守るって決めたから……。 だったら、 「わかっ… 「ふざ…けたこと、言ってんじゃ、ねぇよ…」 日向くん…。 荒い呼吸を繰り返す日向くんは、レオを通り越して私を睨むように見てくる。 その目のせいで、言葉の続きが出てこなくて喉のあたりで詰まるような感覚になった。 どうして。日向くんは守らなきゃいけない人がいるのに…、探さなきゃいけない人がいる。だから、生きなきゃいけないのに。 「…そうや!なんであいりだけ苦しむんや!ウチらがおるやろっ」 「蜜柑…」 「あいりから離れろっ、バカ!」 立ち上がった蜜柑はこっちに走ってきてレオを叩いた。 そんな蜜柑を冷めた目で見下ろすレオは気付いたような顔をして、また笑った。 それはきっと、蜜柑に自分のアリスが効いてないことが分かって、誰の子かも分かったのかもしれない。あしらうように蜜柑を離して、レオは他の仲間のもとへ行った。 「お、前は…すぐ、一人で…なんでもしよ、うと…する」 「ごめんなさい…。だって、日向くんにはっ」 「棗、だろ…っ」 「…棗には、大切な人がたくさんいる。だから…っ!」 どうしよう。涙が出そう。 俯いて涙を隠すように下唇をぎゅっと噛んだ。 その時、ぎゅっと棗に抱き締められた。その体温が、とても優しくてとても強くて…。 耳元で呟かれた言葉まで全てが優しかった。 その体温に包まれて (お前も)(大切な奴の一人だろ) 20111005 原作から外れました!次はきっと原作沿いになるかと…。 |