「ドッジボール?」

なんでそんな突然…。そう言うと蜜柑は成り行きを教えてくれた。
そう言えば、翼に会いに行くとか言ってたなぁ…と思いだした。
クラスのみんなはブーイング。
だけど蜜柑はめげずに、みんなを焚きつける方法を使って、お陰でみんながやる気になってしまう。


「あいりはウチのチーム入るやろ!?」

「おい佐倉!なに勝手なこと言ってんだ!鷹野は棗さんのチームだ!」


いつの間にか、チームが振り分けられていて、最後の一人が私になった。
明らかにチーム分けの人数のバランス悪いよね。
蜜柑のチームは、飛田くんやアンナちゃんと可愛らしい人たちの構成。
うーん…と悩んだ末、蜜柑のチームに入ることにした。


「私、蜜柑のチームに入るよ」

「ホンマか!」


目をキラキラとさせて喜ぶ蜜柑に、私は頷いた。
その時、ルカくんのウサギさんが跳んでくる。
驚きながらもウサギさんを抱っこすると、ルカくんがこっちに駆け寄ってきた。


「ルカぴょんも入ってくれるん!?」

「え、俺は…」

「よし、ルカぴょんも入ったことやし、頑張ろうな!」


強制的にルカくんをチームに入れた蜜柑。
ルカくんは申し訳なさそうに日向くんに謝っていて、親友を取られた日向くんの目は怒りに満ちていて、なんだか怖かった。
未だに悲しそうな顔をするルカくんに、ごめんねと謝るとあいりが謝ることじゃ…と言ってくれる。


「あー…ルカくんを取られて日向くんもやる気だねー…」

「……あら、他にも理由があるわよ」

「え、なに……って、ほ、蛍?」


たまごヘルメット(略してたまヘル)をする蛍。
正直言って怖いです、蛍…。
そして、蛍の言った他の理由ってのが何か分からず聞くけど、鼻で笑うような音が聞こえて何も答えてくれなかった。
ちらりと向かいのコートにいる日向くんに目を向けると目が合った。
へらっと笑うと鋭い目で睨まれて、これは本気でドッジしなきゃ…なんて思う私。



燃えろよ青春!
(棗、覚悟しいや!)


20110726