どんっ!と炎が爆発した。日向くんのアリスだ。
ナルは怪我をしていて、なのに日向くんにいつも通り笑って、早く逃げないと君の嫌いな彼が来るよと笑った。
日向くんは蜜柑に何か言っていて、森の奥へと消えようとしたものだから、つい制服を掴むと驚いた顔で見ていた。


「なんだよ」

「いや、ほら……ペルソナ、私が引き止めるよ」


日向くんはまた驚いた顔をして、私の額を突いて、お前は余計なことすんな、と言ってルカくんと森の奥に姿を消した。
ああやって言われたけど、やっぱりほっとけない。
そう思うと体が動き出していてペルソナを探しに出ていた。


「あいり!」

「あいりちゃん!」


後ろで、蛍や蜜柑、ナルや飛田くんに名前を呼ばれてたけど、どうしても足が止まらなかった。
走ってペルソナを探しながら思った。
蜜柑のアリスなら、みんなを守れるんだろうか…なんて。ぎゅっと拳を作って、そのまま進んで行くと、探していたペルソナと会った。


「ペルソナっ」

「……あいりか」


棗を知らないか、と聞かれて、やっぱり日向くんだってバレてるんだ。ただ首を振って、どうしたのと聞くと棗のアリスが暴走した、とペルソナは辺りをキョロキョロして、私にここにいる理由を聞いてきた。


「…さっきの、私がやったの」

「……本当か?」

「うん」


そうか、とペルソナは頷くと私に来なさいと言って、手を引っ張った。
きっと制御ブレスを付けられるんだろう、と思って覚悟を決めていると、人気のない場所に来た時、ペルソナの手が耳に伸びてきて、何かをつけられた。


「ピ、アス…?」

「そうだ。ブレスレットよりは、刺激が軽い」

「…どうして」


ペルソナを見上げると、彼の目は仮面に隠れていて見えないけれど、どうせ棗を守るためだろう、と言って笑った。
違うと言って首を振ると、分かっている。上にはお前がやった、罰則を与えた。そう伝えておく。


「だから安心しろ」


ペルソナはそう言うと、学園の方へと消えていってしまった。
たしかに、ピアスが時々ビリッとなって痛い。けど、ブレスレットよりは全然マシだった。
ありがとう。もう居なくなったペルソナに呟いた。



形は違えど
(人それぞれ)(気持ちがある)



20110615
ペルソナ優しい!優しくなってしもうた!