02 ※文化祭にて青春。 「ねえねえあやか!今年は少女機関って文化祭で何すんの?」 そんな会話を持ちかけられたのは9月2日、二学期の授業初日。 1限から3限まで教室授業という得な日のことだ。 「いや、まだ二学期始まって2日だし、昨日は先輩一人来てなかったから相談してないよ。」 「そうなの!?去年はすごかったってお姉ちゃんが言ってたからすごく気になるんだ!!」 去年? 「どんなことしたの?」 そう問い返すと、その友人は目を輝かせて話し始めた。 「それがね、ほんとにすごいんだよ!部員3人とプラス仲の良い陸部の先輩の計4人でアメイジング・グレイス歌ったんだって!それがまたどこのオペラか!?ってぐらいうまかったらしい!」 アメイジング・グレイス…!? 地声の低い私には無理だな… でも翔子先輩はもう男の子みたいに声が低いのに、歌えたんだろうか? 「それでね、斎宮先輩はもう人じゃないんじゃないかってぐらいの高音出してたんだって!保護者席で泣いてる人もいたっていう噂だよ!」 保護者が泣く!? すごい、すごすぎる。 今度一度歌ってほしい。 「だから今年も期待してるよ!頑張ってね!」 そう言って私の背中を叩くと、友人は自分の席へ戻っていった。背中痛い。 文化祭か… 田舎の町にしてはにぎやかな春川中学校は、文化祭もすごい。 やや都会な隣町の高校よりも来客が多いと言われているほどだ。 そんなお偉いさんの前で歌えるなんて、やっぱり先輩はすごいんだなあ・・・ とか考えていたら、隣に先生が立っていた。 - - - - - - - - - - |