01 ※始業式に休む人は大抵休み明けの欝 「よーし、出席取るぞー」 やや埃臭い第3理科室に、翔子先輩の声が響く。 第3理科室で活動する同好会、"少女機関"。 いかにも変人感丸出しの同好会名には、部長である翔子先輩のこだわりが詰まっているらしい。 部員は4名。少ないかとおもいきや二人以上の部員がいれば同好会申請ができるため、数多の同好会の中では多いほうだ。 まあ今日は3人しかいないが。何故? 「おいおいしょーこ、鞠がいないぞー?」 丁寧に手を上げて、けれどタメ口で発言したのは性格イケメンの香菜先輩。 男女問わず慕われる学園一の姉貴(翔子先輩評)。 まあ、的確な評価だとは思う、 「ああ、鞠なら夏欝だ。」 ・・・夏欝? 翔子先輩の発言に戸惑ったのは香菜先輩も同じようだ。 何だ、夏欝って。それ明らか病気じゃないだろ、そんなことを心のなかで思っているのだろう。 「あの、翔子先輩…夏欝ってなんですか?」 は?というふうに顔を上げた翔子先輩は、長髪に手櫛を通しながら説明をしてくださえる。 「ほら、あやかもなったことないか?夏休みにだらだらして、学校に行きたくなくなるっていう。あれだ。」 ・・・え 「それおもいっきりサボリじゃないですか!?あれでしょ、夏休みあとひと月増えろーみたいな感じで冷房ガンガンきかした部屋でゆったりまったりしてるんでしょ!?」 「そこまでリアルな想像されたら部長どんな反応したらいいのかわかんない!?」 そんな私と翔子先輩のやり取りを見って香菜先輩が一言。 「…暑いのに元気だな」 香菜先輩、あなたも"夏欝"ですよね。 - - - - - - - - - - |