気が付いたら僕は並中の不良のトップに君臨していた。

なにがどうしてこうなった。

原因は草壁にある。
草壁は、そこそこ喧嘩も強く面倒見がいいので、多くの舎弟を持っていた。
そして、その草壁が僕の下につくことにより、なし崩し的にその多くの舎弟達も僕の下についた。

もう駄目だ。立場的に原作の雲雀恭弥となんら変わりないじゃないか。泣きそう。涙目だよ僕。

そして、学校非公認の「風紀委員」と名乗る不良集団が誕生。

それ以来、並中の不良を従える謎の風紀委員長として密かに恐れられるようになってしまった。ふざけないでほしい。

僕は暴力なんて振るってないのに!トンファーなんて振り回してないのに!

いや、まあ、トンファーは常時持ち歩いてるけど…。
好きで持ち歩いてるわけじゃない。父親に強制的に持たされてるんだ。
外で使ったこともない。不良を殴った時も全部素手だ。

おかしい。わりと普通に生きてるのにどうしてこんなことに。

…もう何も考えずに不良殴るのはやめよう。並盛の掃除だとか理由をつけてストレス解消にするのはやめよう。

不良を束ねる番長みたいな立ち位置になってしまった僕に友達と呼べる存在感は出来なかった。
出来たのは従順なリーゼント集団だけ。
もともとコミュ障だから友達いなかったけどね。うわ、つらい。

「ヒバリ!今日こそボクシング部に入部してもらうぞ!」

心のつらさのあまり、唯一の親友の部活に入りそうになってしまったが、なんとか踏みとどまった。


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