※付き合ってない 「ねぇ、血、ちょうだい?」 こんなのおかしい、間違ってると分かっているのに、彼の燃えるような紅い瞳を前にすると逆らえない。 私は黙ったまま否定も肯定もせずにその場に立ち尽くしていると、凛月くんの方から近づいてきて手を引かれた。 重力に従い体が斜めになる。 無抵抗のまま彼の胸にポスッと倒れ込んだ。 「アンタはどこが美味しいかな〜」 言いながら、凛月くんは楽しそうに私の髪を掻き上げた。 くすんだくちびる