瞼の裏が薄らと明るくなって目が覚める。
隣を見ると大好きな空却くんの横顔。
そういえば昨日泊まりに来たんだっけ。
いつもはお寺の習慣で私より早く起きてるけど、今日は二度寝をしているのか寝息を立てていて起きる気配がない。

私は完全に目が覚めてしまい、手持ち無沙汰になり空却くんの寝顔を観察することにした。
眉間にググッと皺を寄せているのがなんだかおかしくて、指でそっと撫でてみる。
多少口をモゴモゴさせていたものの、すぐにまた夢の世界へ戻ったみたいだ。
眉間からおでこに手を移動させ、空却くんのトレードマークでもある真っ赤な髪をサラサラと撫でる。
ブリーチで傷んでるはずなのに指の間を通るそれはとても綺麗で、起きたらどんなお手入れをしているのか聞いてみようと思った。
髪を一通り撫でた後、指先は耳に到達する。
空却くんの耳は大小様々なピアスがいっぱいで、ゴツゴツ、ひんやりしていて、何も付いていない私の耳とは違う、特有の色気を放っている。
ひとつずつゆっくり触っていると、だんだんいけない気持ちになってきた。
一際大きなピアスホールを親指でなぞったタイミングでどうにもたまらなくなり、耳たぶをぱくっと口に含んでみた。
ゴツゴツ、ひんやり。
手で触った時とはまた違う感触にドキドキしながら、舌を使って丁寧に舐めていく。
これ絶対起きるよな…と思いながらもやめられなくて、耳の外側をなぞるように舐め上げたタイミングで「ぉぃ…」と小さく声が聞こえて我に帰った。
「拙僧の耳、そんなに美味かったかぁ?」
恐る恐る顔を上げると、空却くんが悪戯っ子みたいな笑顔でこっちを見ている。
「ご、ごめん、つい夢中になっちゃって…」
「拙僧が寝てて淋しかったんだろ。起きて朝飯にでもするか」
空却くんは私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回してから先にベッドから降りる。
私も手伝うよ、と後を追うように寝室を後にした。

弾けたメロウ




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