「ねぇ、もうすぐアンタの誕生日だけど、今年は何がほしい?」
「今年は物じゃなくて、凛月くんにお願いがあるんだけど…」
夕食を済ませた後、2人でソファーにもたれながらまったりしていた時。
誕生日の要求はずっと前から考えていたけど、いざ本人に伝えるとなると恥ずかしい。
ちょっと待ってねと立ち上がり、予め用意しておいた紙袋を凛月くんに手渡した。
「…これを着て欲しいの」
「ふぅ〜ん、アンタがこういうの選ぶなんて珍しいね。でもまあ、着るだけで誕生日プレゼントになるならいいよ」
思ったよりあっさり受け入れられて拍子抜けしてると、凛月くんはちゅ、と唇同士を掠めてから「お楽しみに」と着替えに行った。
ドキドキ、ソワソワ。
凛月くんを待ってる時間は、いつもの倍以上にゆっくり進んでいる気がする。
たまたまお店で見かけて凛月くんに似合うだろうなと思って買った服なので、正直とても期待していた。

「お待たせ〜」
着替えを済ませ、颯爽とリビングに戻ってきた凛月くん。
に、似合う。想像以上だ。
真っ赤に煌めくチャイナ服。最高。
晒された肩や太腿の白さが眩しい。
普段はテレビでもきっちりした衣装が多いため、そのギャップに軽く目眩がするほどだ。
艶やかな黒髪との相性も抜群。
神様、チャイナ服をこの世に広めてくれてありがとう。
私は鼻血が出そうです。
「もう動いてもいい?」
しばらくすると、凛月くんはうっとりしたままガン見している私に苦笑して、髪をクシャ、と乱しそのまま手で目元を覆ってきた。
「やだ、もう少し堪能させて…!」
「ん〜、これからベッドでたっぷり堪能させてあげる」


きっと明日もかわいいひと

(次の日私が同じ服を着せられたのはまた別の話)




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