数年後、風の噂で聞いた。
とあるくの一の色に溺れた、とある城の殿様がいる、と。
とあるくの一は、必要な事以外は喋ることなく常に無表情で、まるでカラクリのようだと。
しかし、そのとあるくの一は、情事の時のみ恐ろしく妖艶になり、全ての男共を魅了したと。
そして、その色香に惑わされたとある城の殿様が狂った、と。
とある城の殿様は、思い通りにならぬとあるくの一を殺したと。
とある城の殿様は、殺したとあるくの一を剥製にし、毎晩それと行為をしていると。
ああ、剥製にされた彼女は、きっとあの無表情のままだろう。
泣いたカラクリ
彼女は永遠に愛する事を知れない
(笑った顔が見てみたかった)
(怒った顔が見てみたかった)
(照れた顔が見てみたかった)
彼女のあの悲しげな表情が
あの儚げな微笑みが
まだ忘れられない
彼女は永遠に愛する事を知れない
(笑った顔が見てみたかった)
(怒った顔が見てみたかった)
(照れた顔が見てみたかった)
彼女のあの悲しげな表情が
あの儚げな微笑みが
まだ忘れられない