足元にあったのは



ジリリリリ。目覚ましの音で目が覚めた。
もう朝である。今日はぱっちりと目が覚めた。転校初日だからかな。

「…ん?」

ベッドから起き上がると足元に違和感。何かごろごろするものがある。
布団をめくるとそこにあったのは…

「たま、ご」

そんな馬鹿な。人間って卵産む生き物だったか。私の知ってる限り人間は卵を産まないはず、だ。
しかもこの卵は色や模様がついてる。緋色がベースのたまご。その上にくっきりリボンのマーク。何故リボン。

母は多分もう仕事に行っていて家に居ないだろうし、居たとしても言いにくい。

「さて…どうするかな」

時計をみると、学校へ行くまでまだ時間がある。
机にたまごを置いて、とりあえず着替えて朝ごはん(という名のコンビニ弁当)を食べることにした。


新しい学校の制服はスカートがこれでもか、と言うほど短い。そのデザインは赤のチェックでとてもかわいらしい。
靴下は代わりにルーズソックスのようなものが制服とセットで支給された。スカートとおそろいの赤いチェック。靴下に指定はないらしいが、私はあるものは使う主義なので早速それを履く。
ネクタイは男子が青色、女子が赤色で指定になってるらしい。白いワイシャツの上に黒い上着を羽織ってはい完成(上着の前を止めるとかなり動きにくい)。
母が言っていたが、かなり人気の制服らしい。私にはよく分からないが。

朝ごはんを食べ終えると、まだ時間に余裕があったため新しい家を眺める。庭がきれい。
そう思っていてふと思い出した。学校へ行く道を母に聞いていない。
何故そんな大事なことを忘れていたんだ…と思いながらさっさと携帯で地図を確認(ちなみに新しい学校は携帯持ち込みOKらしい)。
複雑な道だと思いながら時計を見ると、もうそろそろ出発しないと間に合わない時間になっていた。

急いで自室へ戻り鞄を肩にかける。机に置いてあるたまごが目に入った。

「たまごは…持っていくか」

窓から鳥が勘違いして入ってきても困るし(そんなわけないだろうけど)、万が一孵化したら大変だ(ひよこでも出てくるのだろうか)。
たまごをかばんに突っ込み、靴を履いて玄関のドアを開ける。眩しい太陽が私を照らした。

「いってきます」

ドアに鍵をかけ、いざ転校先へ。





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