病院は怖いところだったいろんなお薬も飲まなきゃいけないし
病院からは出てはいけない、テレビも広間にしかないし
見たいテレビはやってない・・・、

中庭のベンチに座りため息を吐くと急に影が出来て顔を上げる
先生かと思ったが、明るめの髪がキラキラと太陽に反射して光る
綺麗な男の人だった、服はちゃんとした服を着ているから
この人は患者ではない事がわかる、でも綺麗な顔は半分包帯で
覆われており片方の瞳から感情が読めなかった
そこにある恐怖は今まで味わった恐怖とはまた違う
悲しくて痛い恐怖に体が固まる

「この辺に黒い髪に桃色の瞳の女性をみませんでしたか?」
「・・・、知りません」
「そうですか、しかし貴方からその女性の匂いがする」
「知りません・・・、貴方は誰ですか?」
「私は・・・、」

「春川さん」

ナースさんに呼ばれナースさんのほうを向くと
顔を白くしたナースさんが立っていた
ああ、つまりこの男の人も私の・・・、幻覚なんだなあ・・・、と
そう思って男の人を見ると唇だけ笑みを見せており恐怖を感じた
今まではいい人ばかりだったけど、これから怖い人も沢山来たら・・・、


「怖い・・・、」
「貴方は何か知っているようだ、セシリーアは何処にいる?
やはり現実の世界に来ていたとはな・・・、」
「知らない、知らない・・、セシリーアってだれ・・・、ですか!」

「春川さん!!」


気づいたら先生やナースさんに囲まれていた
ああ、やっぱりこの世界も私の敵なんだ、私の味方なんていない
苦しい、悲しい、誰でも良いから助けて・・・、

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