「いやあねえ・・・、また独り言いってるわ・・・、」
「怖い・・・、」
「入院するそうよ」
「そりゃあね・・・、あんな子誰も引き取らないわよ」
違う、違うもん、本当にいるんだ「友達」は本当にいる
私に声をかけてくれる、私を心配してくれるし応援もしてくれる
温かい手はそれが現実だと語ってるじゃないか・・・、
なのになんで皆私を冷たい目でみるの?私が普通じゃない?
なんで?なんで?私はおかしい子なの?
「ねえ、セシリア、私、可笑しいのかな?」
「可笑しくないわ、貴方は選ばれし子だから」
「選ばれし子?でも皆セシリアとか見えないんだよ?」
そういうとセシリアは困ったように微笑む、セシリアという
少女は私が物心つく時にはもういて母のように私を大事にしてくれる
授業参観だって運動会だって必ず来てくれて私を見守ってくれる
そんなセシリアを皆見えない、幽霊、などと言うのだ
「ねえセシリアの言う楽園ってなあに?」
「それはね、綺麗な自然に素敵な歌、魔法のある美しい世界よ?」
「私も、私もいけるかな?」
「そうねえ、花恵が良い子にしてたら・・・、私が連れてってあげるわ
全てが終わった後・・・、花恵にもあの素敵な世界を見せてあげたい」
約束だよと指きりげんまんし、セシリアは帰ると言い出す
セシリアが帰るとき毎回この約束をする
「私の事聞かれても知らないフリするよの?じゃないと
悪い人に連れて行かれてしまうから・・・、」
「わかった・・・、セシリアまた来てくれる?」
「ええ、絶対、また会いに来るから・・・、」
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