「7番前へ出ろ」
「私ね・・・、ねえあんた、この世界が美しい世界って言われてるの
しってるかい?」
「はい、少なくとも私は綺麗な世界だと思ってました」
「そうかい、そうだね、私もこの世界を美しいと思っていたさ」


ギロチンの刃が落ちる、貴族達は声を上げて喜ぶ
狂ってる、恐怖と血の臭いが頭の中を浸していく・・・、


「さあ次は貴様だ、立て」
「私・・・、シュヴァリエ様・・・、」
「貴様は・・・?まあいい早く立て」
「い、や・・・、」


「待って」
「セシリーア姫・・・?」
「セシリア?」



長い黒髪に黒色のドレス、濃い桃色の瞳に白い肌は同じだが
私の知るセシリアと違い、美しい女性だった
これが本当のセシリア・・・、
でも何故だろうやはり春の様に暖かい感じを纏っている
セシリアの顔色はあまり良いものとは思えない


「セシリーア姫、体調が優れぬとお聞きしましたがこのような所へ・・・、」
「シュヴァリエ、貴方もついてきなさい」
「・・・、畏まりました」
「セシリア・・・、」
「はじめまして、私はセシリーア・イヴァレータ、貴方は?」
「花恵・・・、です」


セシリアは「いい名前ね」と言うと私の腕を引っ張る
甘い花の香りに視界がぼやける
「貴方は私の親友にそっくりね」とセシリアの声が響き
寒い風が私の体を包み込んだ



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