ストロベリー・シーフ


私が頼んだショートケーキの
イチゴを摘んで君は笑った
「これ、頂戴」
答えを待たずに真っ赤なイチゴは
真っ赤な君の舌の上

あの時君が盗んだものは
イチゴだけじゃなかったんだよ

同じ制服を着た私たち
傍から見たら
仲の良い友達に見えるでしょう?

本当のことは
誰にも言えない

思わず泣いてしまった私の
頬をなぞる君の舌は
あの時と変わらない赤さで

「しょっぱいね」
笑って不意に近付いた
君と交わした初めてのキス
涙の味かと思ったら
甘いイチゴの味がした
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