夏をだきしめて/キッド


色彩(いろ)を失うほど
追憶は美しく
泣きたくなるほど
君は遠くへと

狭い街のなかで
ノスタルジー感じるくらい
年を取ってしまった
あれもこれも変わった
自分だけが残った

波音が遠ざかるほど
耳元に近く
雨雲が広がるほど
君は遠くへと

白いベッドの隅で
ぬくもりを貪ってた
年を取りたくない
なにもかも変わらない
自分だけが居ない

茫然の飾り窓から
真昼のサトゥルノス
見上げてまた泣いてた
何もかも終わった
消えてしまいたかった

僕はひとりで
夏をだきしめて
このまま過ぎてゆく
夏をだきしめて
僕は壊れてた
静かに壊れてた
何をしてもかなしくて
さみしくて むなしくて
僕はひとりで
夏をだきしめて
茫然の波が寄せては返す
美しき追憶の砂浜で
夏をだきしめて

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