赤いスカーフをほどいて/ミヤビタスク
真新しい制服が嬉しかった
あの日にはもう戻れない
早く大人になりたくて
早くわたしを見て欲しくて
違う場所で、違う服を着て
もしもふたり出逢っていたら
あなたはわたしを
“そういう目”で見てくれたのかな
好きになってはいけないと
見えない魔法をかけられた
紺色のプリーツ捲っても
あなたはたぶん振り向かない
まとわりついた子どもの証
脱ぎ捨てたくてたまらなかった
早く大人になりたくて
早くわたしを見て欲しくて
次の桜が咲く頃には
赤いスカーフをほどいて
きっと魔法も解けるから
背伸びだなんて言わせない
違う場所で、違う服を着て
ねぇ先生、わたしのこと
“そういう目”で見てくれますか?