豪炎寺が風丸を好きなことはよぉーく知ってる。フットボールフロンティアに向けて練習してた時からずっと風丸にゾッコンだったことも、よぉーく知ってる。

まあ確かに風丸は顔だけは!顔だけは中性的でイケメンだし?(この時点で中身を考えたら終わりだ。)
豪炎寺が風丸ハアハア言い出したときも前例の某陸上部後輩で慣れてたから、特になんも思わなかったさ。


だって、誰が想像する?
みんなの憧れのクールなエースストライカーが、あんな性癖を持ってるなんてよ。






俺の耳、正常だよな?







豪炎寺「風丸が相手にしてくれないんだ」

名前か名字「しるかよ」

豪炎寺「……風丸が相手にしてくれな、」

名前か名字「何回言うんだよしつけえぞ豪炎寺」



ここは豪炎寺の部屋。イン、イナズマジャパンの宿舎。
珍しく神妙な顔した豪炎寺に「相談があるんだ。」と話を持ちかけられてはや十五分。さっきから同じ会話しかしてないのは、きっと気のせいじゃない。



名前か名字「風丸がお前を相手にしないのはいつものことじゃねえか」

豪炎寺「いや違う。なんか避けられてるいや絶対に」

名前か名字「自意識過剰じゃねえの」

豪炎寺「お前に!俺とアイツの何がわかる!」

名前か名字「帰るわ」

豪炎寺「ああああすまん俺が悪かった待ってくれ話を聞いてくれぇえぇえ!!」



うげっ!涙と鼻水とおもっくそユニフォームについたじゃねえか!!うえええ゛!!

とりあえず「うわっ汚なっ!」と呟きやがった豪炎寺の顔面に回し蹴りをいれた。鼻血が美しく部屋を舞う。あっ床汚れた。俺、しーらねっ!



豪炎寺「……風丸が、」

名前か名字「いや具体的なことを言えよ早く」

豪炎寺「まず目をあわせてくれないんだ…」

名前か名字「へえ」

豪炎寺「練習中も俺からのパスはフルシカトだし」

名前か名字「まじか」

豪炎寺「名前呼んだだけで『近づくなよ犬のうんkのくせに!』とか言われるんだ」

名前か名字「最後明らかにおかしいけど、かなり重症みてえだな」

豪炎寺「まあそれだけならまだしも、今日の朝なんて出されたおかずを全部箸でぐちゃぐちゃにされた」

名前か名字「マネージャーに謝れ全力で」

豪炎寺「そのうえ鼻に詰めこまれて息ができなかった」

名前か名字「ただの陰湿ないじめじゃねえか!」



これでもまだ風丸を嫌いにならない豪炎寺はすごい。
いや、尊敬とかは一切ないが。



名前か名字「何か心当たりとかねえのかよ」

豪炎寺「昨日の朝はいつもどおり風丸のストーキングをして、」

名前か名字「そこからおかしいよな。まずそこから不安要素に含まれるからな」

豪炎寺「いつもどおり風丸の使用済み歯ブラシを拝借し、」

名前か名字「俺お前とダチやめる」

豪炎寺「いつもどおり風丸の抜け毛を瓶にピンセットで保存し、」

名前か名字「帰りたい」

豪炎寺「いつもどおり風丸に罵られたりパシられたりしてから、風丸の匂いを存分に楽しんだりしてだな、」

名前か名字「やだもう帰るぅううぅうう!!」

豪炎寺「あ、いつもと違うことといえば。昨日はいつもより一枚多く風丸の下着を盗んだ」

名前か名字「おkわかった。もうお前しぬしかないな」



風丸は確かに電波だが、こいつはアイツと同じくらい頭がおかしいようだ。あれだよあれ、類は友を呼ぶってやつ。この場合、類は愛を呼ぶのか?激しくどうでもいいがな。
なんで俺の周りにはガチホモ、しかも電波とか変態とかボケ倒しとか変なのばっかり集結してんだよ。違うな、イナズマジャパンに変なのが集まるのか。……円堂守、末恐ろしい奴だ。



風丸「何チョメってんだお前ら。きもっ」

名前か名字「げっ」




でた、悪の魂胆。




豪炎寺「風丸ぅ!」

風丸「やべっ性感染症にかかる」

豪炎寺「名前呼ぶことすら許されないとかしねる」

風丸「名前か名字、もうすぐご飯だぞ。俺の手を煩わせるなんて、お前今日のおかず俺に献上だからな!」

名前か名字「やらねえよなんで俺が悪い感じになってんだよ」

豪炎寺「風丸、俺のをry」

風丸「豪炎寺は口から二酸化炭素を吸って酸素を吐き出す練習でもしてれば?」

豪炎寺「いやさすがに葉緑体とか持ってないry」

風丸「俺への愛でカバーだ」

豪炎寺「おk!!」

名前か名字「……」





結局……この二人が向かう先はどこなんだろうな。




(円堂と豪炎寺と名前か名字のからあげは俺のもの!)
(まつ毛引っこ抜くぞコラ)


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